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2015年8月25日火曜日

『ダボハゼ清宮』こそ大打者の資質! 楽天・デーブ監督の打撃論に賛同

【球界ここだけの話】

 「ダボハゼ」

 一般的にあまりいい響きはない。文献によれば、釣りの際、なんでもかんでも食いつく雑魚(ザコ)。さらにそれを野球に例えると、相手投手の術中にハマる早打ちの打者で「一丁あがり!!」のダメな形容に使われることが多い。

 だから、なんだっつうのよ!! ここに異議を唱えるのは楽天・大久保博元監督(48)だ。

 「選球眼から入る打者に一流はいないですよ。振りたい、打ちたい、当てたい…という“ダボハゼ”のような打者こそ、一流になっていくと思います。だって、打者がバットを振らなければ、何も起こらないでしょう」

 同感だ。プロ野球の取材現場(ファンも同様)で、見逃し三振ほど興ざめすることはない。さらにプロ野球の世界では、カウント途中の見逃しにも首脳陣の監視が入る。

 試合前のミーティング(相手投手の研究)。早いカウントでの狙い球をさんざん絞っておきながら、いざとなるとバットが出ない。結果、追い込まれ、パニックとなり凡退。若手選手の場合、最悪のケース、翌日には2軍送りだ。

 実際、2ストライクに追い込まれると、どんなにすごい打者でも極端に分が悪い。あのイチロー(マーリンズ)だって打率は2割台だし、今季大ブレークしている山田(ヤクルト)も3割には満たない数字となっている。

 そこで、クローズアップされるのは、今夏の甲子園大会で脚光を浴びた早実高・清宮幸太郎内野手(1年)。とにかく、積極果敢なバッティングで“ルーキー”とは思えない好成績を残した。

 準決勝で早実高に快勝した仙台育英高の佐々木監督は、その清宮を5打数1安打と封じ、「早打ちに助けられた」と勝因を語った。もちろん、それは戦術勝ちだったが、半面、清宮側に立てばデビュー間もないキャリアの部分もある。

 今後、多くの場数を踏んでいくであろう清宮に「好球必打」の姿勢だけは失ってほしくない。相手投手に球数を多く投げさせるのは、周囲のおぜん立てだ。真打ちは「ダボハゼ」でいい。清宮の魅力は一撃必殺にある。

 (プロ野球遊軍・西村浩一)
(サンケイスポーツ)

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