広島県呉市議会の谷本誠一議員(65)らがマスク着用を拒否してAIRDO機から降機させられていたことが分かり、議会が本人の事情聴取などの対応へ動き出した。 谷本氏は、反ジャーナリストとして様々な著作を出している高橋清隆氏とともに、2人で行動したとSNSで明かしており、着用を強制するのは人権侵害で移動の自由に反する憲法違反だ、などと主張している。一体どんな状況だったのか、AIRDO側にも話を聞いた。 ■「マスク着用は、強制できないはずですよね」と主張 AIRDOの広報担当者にJ-CASTニュースが2022年2月8日に聞いたところでは、6日9時50分発の北海道・釧路発東京・羽田行きAIRDO機に、男性2人が乗ろうとしてトラブルが起きた。同社では、個人情報のため2人の名前を伝えられないとしているが、谷本氏のフェイスブックなどによると、この2人が自身と高橋氏とみられる。 2人ともマスクを着用していなかったため、客室乗務員が離陸する前の機内で2人に着用を求めたが、拒否された。健康上の理由を聞いても言わず、「マスク着用は、強制できないはずですよね」と主張していたという。 このため、同社では、「他の客に不快感や迷惑を及ぼす恐れ、また、他の客の安全や健康に危害を及ぼす恐れがある」と判断し、同社の運送約款に基づいて2人の搭乗を断った。2人が降機するときに、警察も介入したと明らかにした。搭乗料金は、規定に基づいて払い戻されるとし、実際に返金されたかは確認中だとしている。 機内には当時、2人の他に44人の乗客がおり、定刻より1時間14分遅れて出発した。遅延損害について賠償を求めるかや、警察に被害届などを出すかについては、「事実関係を確認しているところで、現時点ではお答えできかねます」とした。 トラブルの一部始終については、高橋氏が7日、自らのブログで報告している。
呉市議会「個人の活動であり、議会の活動ではありません」
それによると、2人は、AIRDO機内などでマスクが体に有害などと不要論を主張したといい、降機した後は、釧路署で2時間ほど事情聴取されたとした。その際に、検温などを拒否したともいう。搭乗を拒否されたのは、移動の自由に反する憲法違反だと自説を述べている。 行きの便については、2月4日に羽田発北海道・中標津行きを5人で利用したといい、真偽は分からないが、マスクをしていないのは健康上の理由かと保安検査場で聞かれ、あいまいな答えをすると搭乗できたという。中標津行きは、AIRDOにはなく、他社の便を使ったとみられる。 谷本氏は、SNSや市議会の一般質問などで、新型コロナウイルスをめぐり反マスク、反ワクチンなどの立場から自説を展開していた。自然共生党と称し、議会では1人会派で活動している。 講演などでも自説を訴えており、2月5日に釧路市内で講演し、翌6日に呉市に帰る途中でマスクトラブルを起こした。 呉市議会の議会総務課長は8日、取材に対し、トラブルへの対応についてこう答えた。 「まだお話しできる状況ではありませんが、大きく報道されてもいますので、何らかの対応をしなければと考えています。議長を中心に動いており、まず本人に事情を聴くなどすることになるでしょう」 議会内ではマスクを着用することを議会運営委員会で取り決めており、谷本氏もこれを守ってマスクをしているとした。ワクチンを接種しているかは、分からないという。 北海道へ講演に出向いたことについては、こう説明した。 「あくまでも個人の活動であり、議会の活動ではありません。コロナ禍の中で、視察などに政務活動費を使うことを一時ストップしています。今回は、視察ではなく、交通費は、個人のお金から出したと考えています」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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きちんと法整備して、マスクを強制できるようにすべきでしょう。
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