全国知事会の平井伸治会長(鳥取県知事)は1日、岸田文雄首相とオンラインで意見交換し、新型コロナウイルス対策の重点を従来の飲食店から学校や保育所に転換するよう求めた。岸田首相は「(変異株の)オミクロン株の特性を踏まえた感染対策へと改善を検討したい」と述べ、前向きな姿勢を示した。 平井会長は、オミクロン株により学校や保育所、家庭で子どもに感染が広がり、高齢者施設でのクラスターにつながっていると説明し、「こうした特性に応じた対策を早急に政府として提示してほしい」と要望した。 岸田首相は知事会に対し、3回目のワクチン接種のペースアップ▽医療施設・酸素ステーションの整備▽自宅療養者への即応体制の強化、の3点を求めた。 平井会長は意見交換後、記者団に「大きな収穫。各知事が地域の実情に応じてオミクロン対策ができる環境づくりを、政府としても進めるということだ」と話した。ただ首相からは、国の基本的対処方針の変更や、文部科学省も交えた分科会の開催などについて具体的な言及はなかったという。 ■学校への「休業要請」 反対の知事も 学校や保育所など教育施設への対策強化をめぐっては、全国の知事の間に温度差もある。 1月28日の知事会のオンライン会議では、島根県の丸山達也知事が「(国が)基本的対処方針を改定しなくてもできることがある。現場に一番知見があるとの認識で工夫、実行するのが必要」と指摘した。島根県は市町村と協議し、感染状況の著しく悪いところに絞って地域や学年限定の部分休校をしているという。 この会議で当初示された国への緊急提言案では、知事が教育施設などへ休業要請ができるように国に求めると明記していた。千葉県の熊谷俊人知事は「休業要請」に強く反対し、「子どもたちの学びの継続、社会機能の維持を考えると、『休業要請』という言葉は現場に動揺を与え、社会的影響が大きい」と述べた。提言では「休業」の文言が削られた。 一方、教育施設への対策強化を求める声も強い。28日の会議で、石川県の谷本正憲知事は「社会基盤維持のため、感染拡大時も保育園などは業務を継続すべき施設として例示されているが、感染者が多数の場合にちゅうちょなく休園すべきだ。現場の実態と基本的対処方針に大きなずれがある」と訴えた。神奈川県の黒岩祐治知事も「飲食店はある程度感染拡大が抑えられているが、喫緊の課題は子どもに重点を置いた対策。休校休園の判断を現場だけに委ねるのは適当ではなく、国が効果的な対策を検討すべきだ」と述べた。 ■東京都の病床使用率は50%超に
東京都の病床使用率は1日、50・7%となり、緊急事態宣言の要請を検討する目安としていた50%を超えた。小池百合子知事は「病床も重症、中等症などその中身もある。これらを総合的に検討する」として、重症病床の使用状況も勘案して宣言を要請するか否か検討する方針。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))を使用」とする都基準による重症者数は1日時点で29人、重症病床の使用率は5・5%となっている。(阿久沢悦子、森治文、関口佳代子)
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休業する親への補助やオンライン授業の拡大が必要でしょう。
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