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岸田文雄首相が7日、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種について、1日100万回に引き上げる目標を打ち出したのは、低調な接種率を短期間で底上げするためだ。首相はこれまで数値目標を掲げることに慎重だったが、接種の遅れが指摘されるようになり、自ら前面に立ってペースアップする方針にかじを切った。 「ワクチンは必ずやる。目標を達成するため、政府全体で進めていこう」 首相は6日夜、公邸で後藤茂之厚生労働相や堀内詔子ワクチン担当相ら担当閣僚にげきを飛ばした。 ワクチン接種をめぐっては、菅義偉前政権が1日100万回の目標を定めたが、首相は数値目標の設定に慎重だった。1、2回目は接種間隔が3~4週間程度と短く、ほぼ同時期に接種を進められたのに対し、3回目は2回目から最短でも6カ月空ける必要があり、当初の対象者が少なかったためだ。2日の衆院予算委員会でも「一律に何万人という目標を掲げることが適切なのか」と語っていた。 ただ、国会審議では与党からも「1日100万回を打つという政府の強い姿勢を示してほしい」(西村康稔前経済再生担当相)との声が上がるようになり、「分かりやすい目標が必要だ」(首相周辺)との判断に傾いていった。また、自衛隊運営の大規模接種会場の本格稼働や職域接種の月内開始など接種環境が急速に整いつつあることも目標設定の追い風になった。 だが、1日100万回の接種目標は低いハードルではない。菅前政権は1、2回目接種の合計で1日最大170万回まで引き上げたが、首相は3回目接種のみで100万回を目指す考えだ。また、3回目用に確保したワクチンは米モデルナ製の割合が高く、副反応などに対して国民の忌避感も強い。1、2回目と異なるワクチンを打つ「交互接種」の有効性を浸透できるかが成否を握る。 政府関係者は「100万回というのは何もせずに実現できる数字ではない。首相の覚悟の表れだ」と説明する。数値目標を果たせなければ、首相自身に批判が向かい、政権運営にも深刻なダメージを与えかねない。ワクチン接種への首相の本気度が試されることになる。(永原慎吾)
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今必要なことは、ワクチンではなく、PCR検査拡充と感染者に対する休業補償でしょう。
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