U―18(18歳以下)ワールドカップ(28日から10日間・甲子園ほか)に出場する高校日本代表のスーパー1年生・清宮幸太郎内野手=早実=が、侍ジャパン初安打初打点をマークした。大学日本代表との壮行試合に「4番・DH」で出場。来秋ドラフト目玉の最速156キロ右腕・田中正義(3年)=創価大=から初回に中前タイムリーを放ち、世界の大舞台へ弾みをつけた。
高校の怪物が、大学の怪物を倒した。0―2で迎えた初回2死三塁。清宮は大学代表・田中が突如、クイックで投げた3球目、148キロ直球に体が反応。振り抜いた打球は中前へ。侍ジャパン対外試合2試合目で、初安打初打点だ。「いい集中で、いい反応でした」。「JAPAN」をつけた胸を誇らしげに張った。
相対したのは「大学NO1投手」の呼び声が高い田中。初球は153キロをファウルに。「『速い』と考えるくらいで、何かを感じる暇もなかった」。人生初の150キロ台にも臆することはなく、オール直球勝負をはね返した。「甲子園が力を貸してくれたかな」。清宮にとってもはや“本拠地”となった聖地も味方につけた。
「日本の4番」に奮い立った。唯一の1年生ながら「4番・DH」で先発。野球人生で3番が指定席だった16歳にとって予想外だった。それでも「4番は打線の中心。ふがいない結果じゃ終われない。日本の4番なので」と力に変え、不慣れな木製バットにも対応。その裏に兄のように慕う「ヨコくん」の存在があった。
早実中3年当時、通っているジムが同じだった大学代表の3番・横尾俊建と遭遇。以来、日大三で11年夏の甲子園を制した主砲は兄貴分として仲が良く、ジム内での愛称から「ヨコくん」「幸太郎くん」と呼び合う間柄。大学生でも重い930グラムの木製バットを横尾が試しに振らせると「普通にブンブン振り回して、衝撃でした。中学生とは思えない」と驚いたという。
この日は試合前に横尾愛用のオールドヒッコリー社製の920グラムのバットをプレゼントされ、打撃練習から使用。その1本から日の丸メモリアルヒットが生まれた。「バットをもらって、パワーももらった」と頭を下げた。
2打数1安打で1打点。試合には完敗したが、唯一のタイムリーで世界戦へ弾みをつけた。「世界一のバッター」を目標に掲げる1年生は「ステップアップとして、自分を(世界に)売るいい機会。大学NO1投手の球を体感したことを財産としてつなげたい」。大学生を“攻略”した今、世界が舞台であっても、高校生相手に恐れるものはない。(神原 英彰)
(スポーツ報知)
清宮のW杯になりそうな予感がする。
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