「油断している。アウトにできる、と」。平沢からのサインが捕手を介し、マウンドに伝わった次の瞬間、エース佐藤世が振り向きざまに鋭い牽制(けんせい)球。二塁塁審の右腕が上がり、一瞬にしてチェンジ。早実に傾きかけた流れを断ち切るビッグプレーだった。
捕手の郡司は「ずっと練習してきた」と胸を張る。名付けて「一発牽制」は、実行する機会をうかがっていた必殺のサインプレーだ。地方大会では使用せず、甲子園でも封印。観衆の視線が18.44メートルの攻防に注がれる中、佐藤世は捕手のサインに見入り、走者には無関心を装う。全ては成功への布石だった。
清宮、加藤の両スラッガーを擁する強力打線。佐藤世は「完封は無理」と開き直り、テンポ良く投げ込んだ。左打者への制球に苦しみながらも、清宮を内野安打1本に抑え、今大会初の完封劇。「フォークが頭にあったと思う。早打ちしてくれて助かった」。四球から招いたピンチの芽は3度の併殺で摘み取った。
東北勢の初優勝まであと一つ。四回に今大会3本目となる本塁打を放った平沢は「100年という歴史の中に、新たな一ページを刻めるようにしたい」と高らかに優勝宣言した。(細井伸彦)
(産経新聞)
早実は、このけん制が痛かった。
これがなければ、流れは早実に傾いていたかもしれない。
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