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2015年10月26日月曜日

【MotoGP第17戦】マレーシアGP D・ペドロサ今季2勝目 チャンピオンシップに波乱

 10月25日、MotoGP第17戦マレーシアGP決勝が行われた。舞台となるセパンサーキットは全長5,543mの長いサーキットで、ヘアピンや高速コーナー、2本のロングストレートを持つハードなコース。これに熱帯の高温多湿な気候が加わるため、マシンにとってもライダーにとっても非常にタフなレースを強いられることになる。

 今回のマレーシアGPはバレンティーノ・ロッシとそれを追いかけるホルヘ・ロレンソ(共にモビスターヤマハMotoGP)のチャンピオンシップ争いを大きく左右するレースとなるため、注目度も非常に高かった。

 曇り空の下、気温35℃、路面温度47℃、ドライコンディションという非常に蒸し暑い状況下でスタートした決勝、ホールショットを決めたのはポールポジションスタートのダニ・ペドロサ(レプソルホンダ)だった。2番手にはマルク・マルケス(レプソルホンダ)、3番手にはV・ロッシと予選通りの上位はほぼ予選通りのスタートとなった。4番グリッドスタートのJ・ロレンソはやや出遅れて一時ドゥカティの2台に抜かれたものの、すぐに巻き返してオープニングラップでは4番手につけた。

 2周目にはJ・ロレンソがV・ロッシを抜いて3番手に浮上。また、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)はテクニカルトラブルでリタイアを喫した。

 3番手に浮上したJ・ロレンソは2番手のM・マルケスも追い詰めて3周目にパスし2番手に浮上。路面温度が高く、滑りやすいこともあってM・マルケスはコーナーでややワイドになることが多く、J・ロレンソはうまくそこを突いて前に出た。

 スタート直後からハードなレースが展開されてはいたが、4周目には3番手のM・マルケスと4番手のV・ロッシのバトルが始まった。V・ロッシは前戦のM・マルケスの走り対し「J・ロレンソ(のチャンピオンシップ獲得)をサポートしている」という見解を持っており、接触も恐れずに攻めるM・マルケスに苛立っていた。

 レース4周目に始まったV・ロッシ対M・マルケスの3番手争いは周回を重ねるごとに激しさを増し、6周目にはV・ロッシが手を上げて苛立ちを表現するなど、V・ロッシ対M・マルケスの3番手争いはまさに一色触発の状況を呈していた。

 そして7周目に今季一番とも言える大波乱が巻き起こる。V・ロッシとM・マルケスが接触し、M・マルケスが転倒・リタイアしてしまったのだ。抜きつ抜かれつ、接触ギリギリのバトルを繰り広げていたV・ロッシとM・マルケスだが、この接触についてはV・ロッシが故意に起こしたものという疑いがあるため、レース後に裁定が下されることとなっている。

 トップを行くD・ペドロサは安定した走りでレースを引っ張り、始終単独走行。2番手のJ・ロレンソもレース序盤で2番手に浮上してからは3番手争いを繰り広げるM・マルケスとV・ロッシに差をつけて、2番手を単独で走行した。

 V・ロッシとM・マルケスの接触によって騒然となった今回のレースの勝者はトップを安定した走りで引っ張ったD・ペドロサ。今季2度目の優勝で、シーズン終盤になって実力を発揮してきた。2位はJ・ロレンソ、3位はV・ロッシ。この結果、ポイントリーダーのV・ロッシは312ポイント、J・ロレンソは305ポイントとなり、その差は僅か7ポイントに縮まった。

 だが、このポイントはあくまでも暫定的なもの。V・ロッシに接触事故に対するペナルティが課された場合マレーシアGPでの獲得ポイントの減点もしくは失格ノーポイントという可能性もある。

 いずれにしても、今回のマレーシアGPでJ・ロレンソが先着したことによってポイント差が縮まり、チャンピオンシップの行方はますますわからなくなった。今季のMotoGPは最終戦である次戦バレンシアGPでのV・ロッシとJ・ロレンソの順位でチャンピオンが決まる、まさに最後の最後まで目の離せない展開となった。

 日本GPからの3連戦を終え、残すは2週間後のバレンシアGPのみ。V・ロッシが今季序盤からの好調ぶりを維持して逃げ切るか、それとも後半追い上げたJ・ロレンソが逆転するのか。また、今季2度目の優勝を果たしたD・ペドロサやV・ロッシと因縁のあるM・マルケス、ストレートスピードで圧倒的な速さを見せるドゥカティ勢といったライバルたちの走りがチャンピオンシップの行方を大きく左右する可能性もある。

 果たしてチャンピオンの座を手にするのはV・ロッシかJ・ロレンソか。最後の最後まで楽しみの尽きない今季のMotoGP。最終戦が待ちきれないというファンも多いだろう。(編集担当:熊谷けい)

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