(CNN) 米国立気象局によると、観測史上最強級のハリケーン「パトリシア」が現地時間23日午後6時15分にメキシコ太平洋岸に上陸した。風速約74メートルでメキシコ南西部の沿岸地域を進んでいる。
パトリシアは沿岸部のリゾート地プエルトバジャルタの南約210キロの小さな漁村に上陸。その規模は最強のカテゴリー5で、秒速90メートルの風と激しい雨が村を襲った。村では被害が出ている可能性がある。
メキシコ国家水委員会(CONAGUA)によると、パトリシアの目は直径10キロ。上陸の数時間前には最大風速85メートル、最大瞬間風速105メートルに勢力を弱めていた。
ペニャニエト大統領は短文投稿サイトのツイッターで、「パトリシアがメキシコ沿岸に迫っている。外出は控え、身を守り、市民保護当局の指示に従うように」と国民に呼びかけた。
リゾート地のプエルトバジャルタやマンザニロでは観光客や地元住民が避難を始めた。
CONAGUAのロベルト・ラミレス委員長は、ハリケーンは同国を縦断するシエラマドレ山脈を越えてメキシコ湾に到達し、米国に向かう可能性もあると述べた。
米国立ハリケーンセンターは、管轄する大西洋および北東太平洋地域で発生したハリケーンとしては過去最強で、強風のほかに高潮が強く懸念されると指摘、沿岸部の低地に住む住民に即時に避難するよう呼びかけた。メキシコ気象当局も、風が特に強いことから「史上最も危険な嵐」と見ている。
23日正午の中心気圧は879ヘクトパスカルで、英気象当局は過去30年あまりで世界最低の記録だと指摘した。
ハリケーンの規模としては1969年、米メキシコ湾岸地帯に来襲した「カミーユ」に近い。国連の世界気象機関によれば、これに匹敵するのは2013年にフィリピンを襲った台風「ハイヤン」で、ハイヤンでは高潮などで6000人が死亡した。
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