◇交流戦 日本ハム6―4巨人(2021年6月5日 東京D)
巧みなバットさばきで内角149キロ直球をかち上げた。日本ハム・高浜が確信を持って見上げた白球は、敵地ファンの悲鳴を切り裂いて左翼席で弾んだ。自身初の満塁弾。試合を決定づける価値ある一発に「めちゃくちゃうれしい。打った瞬間に入ったと思った。(今年4月のプロ1号より)こっちの方が全然うれしい」と満面の笑みを浮かべた。
1点を追う7回。それまで攻めあぐねた巨人・戸郷から王柏融の2ランで逆転すると、なおも1死満塁で栗山監督は「切り札的に一番信頼感がある」という高浜を代打起用。期待に応える見事な一発が飛び出した。
交流戦では球団史上初の代打満塁弾。高浜は今季代打ではこれで7打数3安打、打率・429と勝負強さを発揮する。7年目の今季は初本塁打に初の猛打賞もマークするなど、通算でも打率・320、2本塁打と結果を残し、低迷する打線の中で欠かせない存在だ。
19年オフに戦力外通告を受けて育成選手となったが、昨季途中で支配下選手に返り咲いた。ロッテでプレーし、椎間板ヘルニアの手術を経て育成選手となっていた兄・卓也も5月31日に支配下選手に復帰したばかり。「小さい時から目標で、兄ちゃんに追いつけ追い越せでやっている」と話し、「親に迷惑をかけられないので、頑張っている姿を2人で見せられたら」と誓う。
昨年2月に結婚した妻は栄養士で、食事面で支えてくれているのも活躍の一因だ。前日は球場で観戦。この日は自宅にいて、目の前で活躍を見せられなかったが「料理は全部おいしい。いい報告ができる」と気分良く帰途に就いた。(東尾 洋樹)
《二岡以来の代打満塁弾》代打の高浜(日)が満塁弾。代打満塁本塁打は昨年10月15日オリックス戦の長谷川(ソ)以来162人、188本目。日本ハムでは11年7月9日楽天戦の二岡智宏以来16人、17本目となった。また、交流戦の代打満塁本塁打は、19年6月21日巨人戦の福田秀(ソ=現ロッテ)以来10人目で、日本ハムでは初めて。なお、高浜の一発は交流戦通算99本目の満塁弾で、100号に王手がかかった。
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不調の中田を外して、高浜を使ってもらいたい。
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