出た、161キロ!日本ハムの大谷翔平投手(21)が26日、西武戦に先発し、8回を5安打無失点に抑え、自己最多を更新する13勝目を挙げた。花巻東の先輩・菊池雄星投手(24)との今季初の投げ合いで、今季最速の161キロを計測。自身が持つプロ野球記録にあと1キロに迫る直球を武器に今季8度目の2桁となる10三振を奪った。トップに立つ勝率(・813)ではプロ3年目で初のタイトル条件(13勝以上)をクリアした。
いきなり訪れたピンチで、大谷はありったけの力を込めた。初回2死三塁。4番・中村を迎え、直球を続ける。158キロ、158キロ、159キロ。1ボール2ストライクと追い込み、4球目。ファウルにされたが、自身が持つプロ野球記録にあと1キロに迫る今季自己最速の161キロを計測した。
「本塁打も打てれば、軽打もできる素晴らしい打者。持っている力の100%近い状態でないと抑えられない」
続く5球目もボールとなったが、2球連続で161キロだ。粘られるも8球目、142キロの高速フォークで空振り三振。「万が一もない投球をしなければならなかった」と意地で封じ込めた。
7月24日の対戦では白星を挙げたものの、中村には屈辱を受けた。いずれも自身初の満塁被弾と1試合2被弾。強打者ぞろいの西武打線の中でも「特別に力を入れる」という。ここ一番で最大限に力を入れたが、栗山監督は「これまでギアを入れたらバランスを崩していたけど、それがなかった。スピードを出そうとしたわけではなく、自然に出た」と評した。
161キロを出せた背景には今季初めての投げ合った花巻東の先輩・菊池の存在もあった。へんとう炎で登板を一度回避したメンドーサが25日に復帰登板。大谷の登板が1日後ろにずれ、菊池の登板日と重なった。不思議な導きだった。前日まで「意識しない」と言い続けた大谷だが、心境が変わった。「(菊池との投げ合いを)楽しみにしてくれている人もたくさんいる。マウンドに上がったら1点もやりたくないという気持ちになった」。だから、初回のピンチで全力投球したのだ。
中学3年時に、菊池が花巻東のエースとして岩手県勢初のセンバツ準優勝。その雄姿に魅せられて同校に入学した。1年目の13年に打者として対戦し、2打席連続三振。オフに母校で偶然に自主トレをともした際には「(決め球の)チェンジアップを打ちたい」と挑戦状を叩きつけた。2年目以降は対戦していないが、菊池はいつまでも憧れの存在である。投げ合いでは2勝0敗。先輩に成長した姿を見せつけた。
118球を投げ、8回無失点。2試合連続完封とはならず「球数が多くなったので、そこは反省したい」と言った。21歳の二刀流右腕はかつてのダルビッシュのような絶対的エースに成長している。(柳原 直之)
▼花巻東・佐々木洋監督(大谷、菊池の恩師。岩手県内でテレビ観戦)見るのは楽しいかなと思っていましたけど、やっぱり複雑ですね。立ち上がりに大谷があれだけスピードを出して、雄星は気負うところがあったと思います。雄星は特に負けず嫌いですから。2人とも、球界を代表する右と左のNo・1投手になってほしいですね。
≪奪三振率11・00 日本記録更新射程≫大谷(日)が8回無失点で今季13勝目。勝率1位のタイトルは13勝以上が条件となっており、今季3敗の大谷は勝率・813。同タイトル獲得に大きく近づいた。また、この日は今季8度目となる2桁の10奪三振。シーズン161奪三振とし、則本(楽)の155奪三振を抜きトップに立った。大谷の投球回数は131回2/3で9イニング換算の奪三振率は両リーグ断トツの11・00。シーズン奪三振率のプロ野球記録は98年石井一久(ヤ)の11・05、パ・リーグ記録は90年野茂英雄(近鉄)の10・99となっており、大谷に更新の期待が懸かる。
(スポニチアネックス)
初戦メンドーサ、2戦大谷は、何か意味があるのだろうか。
順当に考えれば、初戦大谷だろう。
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