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2016年11月23日水曜日

稀勢の里「やるべきことをやるだけ」 悲願の初優勝へ一縷の望み

真っ向勝負で両者が力を出し尽くす、まさに“銭の取れる相撲”だった。攻めと守りがめまぐるしく入れ替わる激しい攻防の末に、稀勢の里が白鵬を倒した。

 破壊力抜群の左おっつけで白鵬の体勢は崩れ、右の差し手を封じた。そして、突き押しの応酬。はたいて呼び込んだ土俵際は徳俵に左足1本で残った。立て直して左差し、右上手でつかまえ形勢逆転。両まわしをひきつけ万全に寄り切った。

 3場所続いた綱取りの夢に破れ、豪栄道に初優勝で先を越された秋場所後。「巡業ではやれるところまでやろうと思うんだ」と言った。殻を破れない現状を打破するために求めたのは自らを支えてきた稽古だった。

 横綱、大関陣でただ一人、秋巡業初日から相撲を取った。そこから15カ所連続で土俵へ入り、番数は計209番を数えた。疲れから、終盤には左腕に膿がたまる炎症の蜂窩織炎を患ったほど。がむしゃらな姿を見て、貴乃花巡業部長(元横綱)は「稽古をしていけば必ず結果は出るぞ」と激励していた。

 今場所前半で取りこぼした2敗は悔やみ切れない。第一人者を倒してなお先頭と2差で賜杯は遠いのが現実。積み重ねてきた稽古を無駄にせぬためにも「やるべきことをやるだけ」と残された横綱との闘いに燃える。悲願の初優勝へ一縷の望みを託し、まずは全勝の鶴竜戦で意地を見せたい。(藤原翔)
(産経新聞)

 2敗維持で優勝に準じる成績となるか。

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