日本一に突き進んだ軌跡を見届けて、心の中に湧き上がるものがあったのか。今季のチームの戦いを振り返るVTRが流れた後に始まったトークショー。有原と並んでマイクを握った大谷は、司会者から「165キロの次の目標は」と聞かれ、力強い言葉を返した。
「人類最速まであと4キロなので、一番速い球を投げる人になってみたい」
続けざまに飛んだ「170キロは?」の質問にも「投げられたらいいですね」と笑顔で答えた。14年に出した162キロから、今季は163、164と自己最速を更新。10月16日のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(ソフトバンク戦、札幌ドーム)で165キロをマークした。CSでの投球は「あのときはたまたま。いい投げ方はできなかった。球場の雰囲気もそうですし、CSラストの場面だったので」と回想。思い描くフォームで投げればさらに記録を塗り替えられる、という可能性が見える。
人類最速――。いまはチャプマンがその称号を持っている。レッズ時代の10年9月24日に105・1マイルを計測し、「野球の最速投球」としてギネス世界記録に認定された。今年7月18日にもヤンキースで同じ数字を出している。
投手大谷が打者大谷をどう抑えるかと、二刀流ならではの質問を受けると「真っすぐじゃないですか。バッターをやっていて一番嫌なのは速い真っすぐ」と答えた。ならば、その直球を究極まで突き詰めるのみ。早ければ来オフにもポスティングでメジャー移籍の可能性がある右腕が、そのメジャーの頂点に立つ記録を視界の中に入れた。
日本シリーズまでフル回転した体を休めるため、オフに入ってノースローを続けているが、近日中に千葉・鎌ケ谷でWBC公式球を使ってキャッチボールを再開する予定。侍ジャパンで、そして球速で、「世界」をにらんだ挑戦が始まる。
≪今季165キロ以上はMLB2人だけ≫大リーグで今季100マイル(約161キロ)以上を記録したのは、大リーグ公式サイトによると31人(うち先発投手は9人)。そのうち165キロ(102・6マイル)以上を計測したのはチャプマンとブレーブスの23歳救援右腕カブレラの2人だけだ。チャプマンが165キロ以上を記録したのは何と143球で、全投球の14・7%。100マイル以上なら55・35%だ。ドミニカ共和国出身で今季メジャーデビューしたカブレラの最速は103・5マイル(約166・6キロ)で、165キロ以上は18球だった。
(スポニチアネックス)
来オフ移籍だろうか。
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