スーパースターはスーパースターを知る。シャーザーの映像を見たことがあるかと聞かれた大谷は「もちろん!はい」と野球少年のように目を輝かせた。昨季は2度のノーヒットノーランを達成。今季も大リーグで投手最高の栄誉であるサイ・ヤング賞を受賞したメジャーの現役最強右腕だ。
「あれだけノーヒットノーランとかもやっていますし。投げ方も見ていて独特なので、ストレートとか相当切れるんじゃないかなと」
憧れのカーショー(ドジャース)らと同様に、大谷が日頃から熱い視線を注ぐシャーザーは「準備を進めるし、ぜひプレーしてみたい」と大会に初出場する意向を表明済み。球団も容認している。過去3大会とも決勝まで進めなかった米国は2年連続でナ・リーグの本塁打、打点の2冠王に輝いたアレナド(ロッキーズ)、ダルビッシュ(レンジャーズ)の女房役ルクロイらが参戦予定。かつてない本気モードで臨む。その象徴がシャーザーだ。米国とは準決勝か決勝で対戦する可能性があり、大谷と投げ合うことも考えられる。
「僕の個人的な意見ですけど」と繰り返し強調しながらも「凄く見てみたいという気持ちはありますね」と率直な思いを語った。二刀流の大谷ならではの長所は投手だけでなく、打者としての視点も持っていること。「打席に入れば、もっともっといろんな(得られる)ものがあると思います。ただ、なかなかそんな簡単に打てるピッチャーではないので」。そう警戒しつつも「打倒シャーザー」に向けてベンチや打席で、生きたデータの収集に意欲を見せた。
この日は、前日同様に千葉・鎌ケ谷でウエートトレーニング。強化試合を終えた13日以降、ボールやバットを使った練習は封印している。「計画は立てている。(現在は)他のところに時間を割きたい」。シーズンの疲労回復を優先させつつ、WBCから逆算した調整を進めている。
来オフにもポスティングシステムを利用してメジャー挑戦の可能性がある22歳は、WBCの位置付けをこう話していた。「このために、(プロ野球選手を)やっていると言っても過言ではない大会。世界にどれだけ凄い選手がいるのか。自分の見ていない技術があるのかワクワクする」。シャーザーら世界トップクラスの選手の技術を目に焼き付け、二刀流の進化につなげる。それが、侍ジャパンを頂点に押し上げることにもなる。(大林 幹雄)
(スポニチアネックス)
シャーザーと大谷の対決は盛り上がるだろう。
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