月例報告公表後の会見で、甘利明経済再生担当相は「個人消費や設備投資の改善の遅れがみられる。生産面でも弱さがある」と述べた。
政府は基調判断を構成する14項目のうち、設備投資の判断を1年4カ月ぶりに前月から下方修正した。具体的には表現を「総じて持ち直しの動きがみられる」から「おおむね横ばいとなっている」へと変更した。
企業収益が過去最高水準であるにもかかわらず、7~9月期GDPの設備投資が2四半期連続でマイナスになったことを踏まえた。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長は「中国経済の減速などで先行き不安が強まり、企業は(設備投資の)計画を先延ばししている可能性がある」とみている。
個人消費の判断は「総じてみれば底堅い動き」で据え置いた。食品の値上がりなどで消費者心理が冷え込み、関連する指標が横ばいにとどまっていることを踏まえた。生産も「このところ弱含んでいる」のまま判断を変えなかった。
景気の先行きについては、政府は雇用や所得の改善で回復に向かうとみるが、ペースはゆるやかなものにとどまる見通し。加えて中国景気の減速といった海外経済の下ぶれにより、「日本の景気が下押しされるリスクがある」(内閣府)。
こうした状況の中、景気回復の道筋を確実にしたい安倍政権は、個人消費喚起のため、賃上げや設備投資の拡大を経済界に要請している。24日の経済財政諮問会議で安倍首相は、最低賃金を全国平均で毎年3%程度引き上げることを要請。26日に開く「未来投資に向けた官民対話」でも、設備投資や賃上げの具体的な方針を示すよう経済界に求めている。
(サンケイビジネス)
賃上げ・設備投資を要請しても、個人消費拡大は無理だろう。
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