柘植康英社長は19日の東京での記者会見で「一歩ずつ前進している」と語った。
JR東海が輸出を狙うのは、首都ワシントンからボルティモアまでの60キロ。最終的には、ニューヨークを経てボストンに至る730キロへの導入をめざす。
国内でリニア中央新幹線を造り始めているJR東海は、米国では自ら運営には乗り出さず、技術供与にとどめる。普及の突破口とし、量産による製造コストの削減も狙う。
そんな構想をめぐり、ボルティモアのあるメリーランド州は7日、米政府に申請していた調査への補助金2780万ドル(約34億円)が認められたと発表した。ルート選定や建設費の試算を進める調査だ。さらに同州が、JR東海の現地の協力会社に対し、鉄道を営業する権利を与えたことが17日明らかになった。
もっとも、これでリニア輸出が一気に進むわけではない。
調査への補助金約34億円は調査主体が約7億円を負担することが前提。「州は予算がないから、それをどうするかが問題」とJR東海首脳は言う。
建設費はワシントン―ボルティモアだけで1兆円にのぼるとされ、どう工面するかという課題も残る。
JR東海は米政府が前面に出ることを期待し、日本政府も支援する構え。半額の5千億円を国際協力銀行(JBIC)を通じて融資する考えを米国側に伝えているが、全米に高速鉄道網をつくる計画を掲げたオバマ政権は2017年1月に任期が切れる。
来年は米大統領選があるだけに「しばらく劇的な進展は期待できない」(JR東海幹部)との声もある。(鈴木毅)
(朝日新聞デジタル)
数キロの試験ラインを作り、アトラクションのように有料で公開し、速さと安全性を体験出るようにするのもありだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿