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2015年11月29日日曜日

<ロシア>トルコ批判強める「大統領娘婿、ISに関与」

【モスクワ杉尾直哉】ロシアのペスコフ大統領報道官は28日に放送された国営テレビのインタビュー番組で、トルコのエルドアン大統領の娘婿が過激派組織「イスラム国」(IS)の石油ビジネスに関与している可能性を示唆した。IS掃討名目のシリア空爆に参加しているロシア軍機がトルコ軍機に撃墜されてから、ロシアは「トルコはISの共犯者」との批判をエスカレートさせている。

 エルドアン政権がISの石油売買に関与しているとの批判は、プーチン大統領が26日に口火を切った。オランド仏大統領との会談後の記者会見で、「略奪された石油を積んだ車列が昼夜、シリアから国境を越えてトルコに入り、まるで動く石油パイプラインだ」と指摘。「トルコ政府が知らないというのは信じがたい」と述べた。

 ペスコフ氏は、エルドアン氏の娘婿のベラト・アルバイラク氏が24日にトルコのエネルギー相に任命されたと指摘。「真実かは知らないが、(ISの)石油利権に関わっているとの一定の情報がある」と述べた。

 一方、米政府は、ISとシリアのアサド政権が裏でつながり、石油を売買しているとの立場だ。その仲介をしているとして、米財務省は25日、シリアとロシアの二重国籍を持つシリア人実業家を資産凍結などの制裁対象に指定した。エルドアン氏も「ISの石油を買っているのはアサド政権と、アサド政権を支援する者だ」と、ロシアを非難している。

 これに対し、シリアのムアレム外相は27日、訪問先のモスクワで、「トルコがロシア軍機を撃墜したのは、エルドアン氏の息子(娘婿)の石油利権を守るためだ」と述べた。ペスコフ氏はこれに同調し、エルドアン政権批判を強めたといえる。露軍機撃墜後、プーチン氏は「この数年間、トルコの現政権は過激なイスラム化政策を進めてきた」と指摘するなど、エルドアン氏への個人攻撃を強めている。ISはシリアやイラクの石油施設から略奪した石油や石油精製品を売り、潤沢な資金源にしている。
(毎日新聞)

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