トルコも自国民にロシア渡航の延期を呼び掛けており、両国関係の悪化は決定的となった。過激派組織「イスラム国」掃討をめぐっても、北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるトルコとロシアの連携は当面見込めず、米露を基軸とする「反テロ大連合」構想は現実味を失いつつある。
ロシアは査証免除協定の効力を、来年1月から停止する。またロシアで活動するトルコ企業を対象に業務の停止や制限を導入。トルコ人のロシアでの新規雇用を来年から原則として禁止する。両国間のチャーター機運航を停止、トルコ艦船の入港も制限する。旅行会社にはトルコ旅行の募集を禁止し、トルコ産物資の輸入を制限する。輸入制限の対象は内閣が今後決定するが野菜などが中心とみられる。
大統領令は「国家の安全保障」「国民保護」を経済制裁の理由としており、トルコ敵視の姿勢を鮮明にした。しかし、トルコへの原発輸出やトルコ経由の天然ガス輸出構想については言及がなく、関係改善に含みも残した。
大統令は制裁の期限には触れていない。ロシアはトルコが公式に謝罪するまで、首脳級の対話を拒絶しており、早急な関係改善は困難との見方もある。(モスクワ 共同)
(サンケイビジネス)
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