巨人の堤GMは14日、陽の代理人から連絡を受けて「正式に合意しました」と発表。本人とも台湾との国際電話を通じ、互いに「よろしくお願いします」と挨拶したという。堤GMは「センターを守ってもらえる選手を、しっかり獲れたのはチームにとってプラス」と戦力面に言及したが、球団にとっては営業面の“補強”も期待できる。
陽の巨人入りのニュースはすぐさま、台湾でもトップ級で報じられた。19日に都内で行われる入団会見にも、大きな注目が集まるはず。台湾のスーパースターの獲得は、巨人が注目する台湾マーケットの開拓を一気に加速させる。陽の日本ハムでの出場試合は台湾でもテレビで生中継され、訪日客は札幌ドームで生観戦。現地の企業広告にも多数起用されている。こうした“陽マネー”が今後は巨人のものとなる。
台湾に急接近する巨人だが、以前は別の国に秋波を送っていた。2005年オフにロッテから韓国の「国民的打者」、李を引き抜き。移籍1年目から韓国の衛星テレビ局で巨人戦が生中継され、4番打者としての奮闘に母国のファンが熱狂した。07年から結び直した4年総額30億円の大型契約は、こうした韓国マネーも考慮に入れたもの。球団ホームページは韓国語版が開設され、オフには内海らが渡韓してトークショーを開いた。
だがこうした“韓流ブーム”は長くは続かなかった。李の成績が先細り2軍暮らしが続くと、09年限りで韓国での放映権契約が打ち切られた。契約最終年はわずか56試合の1軍出場にとどまり、10年限りでの退団はさびしいものとなった。
台湾との蜜月関係がよりよいものとなるかどうかは、陽のグラウンドでのプレー次第。李にはなかった大きなアドバンテージは、ドラフト経由で入団したため外国人枠に左右されないこと。新たな背番号「2」のユニホームをまとった陽の活躍で、巨人は3年ぶりのV奪回と台湾進出の二兎を得たいところだ。 (笹森倫)
(夕刊フジ)
活躍すれば、訪日客増に繋がるだろう。
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