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2016年12月19日月曜日

【クラブW杯】日本が夢を見た…鹿島が歴史的世界2位

◆クラブW杯 ▽決勝 Rマドリード4―2(延長)鹿島(18日・横浜国際総合競技場)

 Jリーグ王者で開催国代表の鹿島が歴史的な大健闘を見せた。欧州王者のRマドリード(スペイン)に延長の末、2―4で惜敗。MF柴崎岳(24)の2得点で一時は2―1とリードを奪うなど「白い巨人」を本気にさせ、堂々の“世界2位”に輝いた。Rマドリードは前身の大会を含め史上最多5度目のクラブ世界一。来年大会はアラブ首長国連邦(UAE)で行われる。

 世界一に届かなかった。クラブW杯2位として上った表彰台。先頭のMF小笠原は肩をすぼめ、足元を見つめた。MF柴崎の目には涙の跡があった。3位になったアトレチコ・ナシオナルがすぐ隣で笑顔を咲かせる中、鹿島は全員がうつむいていた。「悔しい。勝ちたかった。俺らは結果を求めていたので負けて残念」と小笠原。日本サッカー史上、最も世界1位に近づいた鹿島に拍手が向けられた。

 欧州王者を追いつめた。先制点を許したが、前半44分に柴崎の左足シュートで追いついた。MF永木が「リスペクトしすぎないように」と1人かわされても、次の選手がカバー。相手を恐れず、勇敢にパスを回した。スタンドにはRマドリードのグッズを身につける日本人が多かったが、時間がたつにつれて鹿島への声援が大きくなっていく。そして後半7分、柴崎が逆転弾。ついにリードを奪った。

 悲願だった。日中韓のリーグ王者で争われたA3選手権(03年)で優勝しているが、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL、前身のアジアクラブ選手権を含む)では、ベスト8入りが最高。国内とは別人のようなチームになることから「内弁慶」と批判されることもあった。その都度、小笠原は「ビビるヤツがいると海外で勝てない」と訴え続けた。

 年間勝ち点3位で出場したJリーグチャンピオンシップ(CS)で川崎(同2位)、浦和(同1位)を撃破し、Jリーグ制覇。負けられないトーナメント戦を戦う中でFW土居、DF昌子ら中堅が戦う姿勢を身につけていった。クラブW杯準々決勝のサンダウンズ(南アフリカ)の前半は消極的なプレーが続き、ハーフタイムに小笠原が「ビビるな」とゲキ。一言で戦う姿勢を取り戻せるチームになった。

 後半15分にPKから失点し、突入した延長戦では2点を奪われ、金星はならなかった。リードした時間は8分。短い時間かもしれないが、確かに世界一に手をかけた。レアルDFセルヒオラモスは「我々にダメージを与えた。祝福の言葉を贈りたい」と鹿島をたたえ、FWルーカスバスケスも「守備が非常にうまく、手を焼いた」、MFカゼミロも「決勝に来るに値するチーム」と続いた。

 鹿島選手の総年俸5億7000万円に対し、Rマドリードは約51倍の291億円。その差を選手はどう感じたのか。チームには「勝てた」(永木)、「世界は遠い」(MF遠藤)と2つの思いが生まれた。だが、次なる思いは1つだ。「来年はACLを勝ち抜いて、アジアのチャンピオンを取りたい。もう1回この大会に帰ってきたい」と小笠原。一歩及ばなかったが、鹿島は世界一になれる可能性をはっきりと示した。(内田 知宏)
(スポーツ報知)

 スターチームとの善戦は素晴らしい。

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