他に逮捕されたのは、江東区の会社役員早川和男(38)、中野区の自称広告会社経営辺土名(へんとな)朝紀(35)各容疑者、三戸容疑者と同じ組の3人の組員ら。
組織犯罪対策4課によると、14人は2011年8月~13年6月、杉並区の接骨院「杉並すこやか接骨院」(廃業)で、患者4人が施術を受けたとの偽の申請書を作成。健康保険を管理する新宿区など4市区に提出し、療養費約45万円をだまし取った疑いがある。三戸、早川、辺土名容疑者ら11人は容疑を認めず、ほかの3人は認めているという。
同課の説明では、この接骨院は三戸容疑者が実質的に経営し、配下の組員らが集めた健康保険証のコピーをもとに早川容疑者が申請書を作成。11年6月~13年10月に療養費約2700万円を受け取っており、同課は、一部は架空の請求によるもので、協力者への紹介料や暴力団の資金源にしていたとみている。
警視庁は、三戸容疑者らが千葉県内の歯科医院、都内の美容外科医院も使い、診療報酬でも不正な請求をしていたとみて調べる。
■多くは架空請求、「患者」の協力者を集める
不正に関わったとして逮捕された接骨院関係者が、複数回にわたって朝日新聞の取材に応じた。杉並区の接骨院とは別の接骨院で経理を担当しており「1カ月の請求総額は200万円程度だったが、そのうち4分の3くらいは架空請求だった」と話した。
療養費の請求には、患者1人が受けた施術の日時や内容、金額などを1カ月ごとにまとめた申請書が必要だ。申請書には患者の署名がいるが、この接骨院では、協力者に事前に3~4カ月分の申請書に署名させ、その後、架空の施術内容を書き込んで請求していたという。
「患者」となる協力者を自ら20人ほど集めてもいた。貸金業も営んでいたが、借金を返せない客から目的を告げずに健康保険証を受け取り、コピーしておく。これを早川和男容疑者(38)に渡し、療養費3カ月分の請求に使われる代わりに協力者1人につき1万円の紹介料を受け取って協力者に分配したという。
早川容疑者から、封筒に入った現金の金額の確認を頼まれたこともあった。封筒には「I」や「T」などのローマ字が書かれており、数万~100万円ほどの現金が入っていた。「不正請求で得た金のキックバックだったと思う。ローマ字は、協力者のまとめ役の名前の頭文字で、そこから協力者に分配されていたのだろう」と話した。
(朝日新聞デジタル)
制度を悪用し、不正請求がシノギは笑える。
0 件のコメント:
コメントを投稿