■鳥越氏、野党統一候補で擁立へ
民進、共産、社民、生活の党と山本太郎となかまたちの野党4党の幹部らは11日、都知事選に野党の「統一候補」の擁立をめざし、水面下で最終調整を続けた。
民進党内では当初、党都連の松原仁会長らが党執行部と調整し、元経済産業省官僚の古賀茂明氏(60)の擁立をめざす方針をいったん固めた。松原氏は11日午後、都内で古賀氏と会談し、立候補を要請した。
しかし、ほぼ同時期に民進執行部内から、鳥越氏を擁立する意見が浮上。参院選で共闘した野党4党の枠組みでの候補一本化をめざそうと、各党幹部が再調整に入った。
野党関係者によると、民進など野党幹部と、鳥越、古賀両氏が協議を重ねた結果、野党の統一候補として鳥越氏を擁立することで最終調整しているという。
鳥越氏は京大卒業後、毎日新聞社に入社。同社大阪社会部などを経て「サンデー毎日」編集長などを歴任した。89年に退社以降、テレビ朝日系「ザ・スクープ」などでキャスターを務めた。
一方、宇都宮健児・元日本弁護士連合会会長(69)は同日、記者会見を開き、無所属での立候補を表明した。「弁護士として現場で困りごとを抱えている人の相談に乗ってきた。肌感覚を生かし、都の最低賃金を時給1500円にし、待機児童の解消も目指したい」など、福祉の充実やカネの無駄遣いをなくす考えを強調した。
ただ、野党が統一候補擁立を模索していることを尋ねられると、「(政党には)これから支援要請に行きたいが、他の方が決まったら真摯(しんし)な気持ちで政策の議論をして相談したい」と述べ、今後の動向に含みを持たせた。
「野党統一候補なら出る」と意欲を示していた俳優の石田純一氏(62)も同日都内で会見し、立候補を断念すると表明した。「色々お騒がせした。自分の事情やタイムリミットもあった」などと話した。
民進党の長島昭久衆院議員(54)は同日、報道陣に立候補しない考えを明らかにした。元神奈川県知事の松沢成文(しげふみ)参院議員(58)も民進側の要請を断った。
■自民は増田氏推薦
増田氏は11日、都庁で会見を開き、正式に立候補を表明した。「この4年で3人のリーダーが代わり、都政は停滞、混乱している。いま東京都に必要なことは積み重なった課題を早く解決することだ」と都政への意欲を述べた。
取り組む政策として、「三つの不安の解消」と「三つの成長プラン」を提示。解決すべき「不安」として、(1)子育て(2)超高齢化社会(3)首都直下地震などの災害を挙げた。待機児童解消のための緊急プログラムも作るという。
総務相や岩手県知事を務めた増田氏はこれまで、講演や自著で「東京への一極集中」を批判してきた。会見では、総務相時代に東京など大都市に集中した法人事業税を地方に分配する税制改正を手がけたことなどとの整合性を問われたが、「東京五輪で大きな財政需要が見込まれる。都民の税を守ることを考えたい」と答えた。さらに「一極集中は東京にもマイナス面がある。東京や地方が抱える問題を先頭に立って解決したい」などと話した。
自民党都連の推薦を得た増田氏は同日、公明党にも推薦を依頼。面会した高木陽介都本部代表は「大変見識のある方だ」と増田氏を評価し、推薦に前向きな考えを示した。
増田氏の会見の4時間半後、小池氏も都庁で会見に臨んだ。4年後の東京五輪・パラリンピックについて、「膨れあがっている予算を精査して、都民のために使う」と説明。都知事の報酬半減など、新たな政策も公表した。
小池氏はその後、党本部で自民党の谷垣禎一幹事長と面会。進退について、報道陣に「自民党員としてこれからも頑張りたいと思っているが、そこは党にゆだねます」と話した。
(朝日新聞デジタル)
人気か、行政手腕か、のどちらを選択するのだろうか。
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