閣下は九重親方の訃報を耳にしたとき「思わず「はあ?」という声が口から出た」と、驚きを隠せなかったという。「昨年5月、氏が「還暦土俵入り」を行った際、見事に若々しい姿を披露してくれていただけに、「こんなに早く?」という思いが否めない」と、死去を残念がった。
九重親方が新横綱として初めて明治神宮で行った土俵入りにも「吾輩は世を忍ぶ『浪人生』だったが、駆けつけて観に行ったことを思い出す。おそらく今までの全ての横綱の中で最も四股の足が綺麗に高々と上がる手数入りでの所作は、鋭利で美しかった」と、当時を振り返った。
閣下は、ハングリーさが常に体中からにじみ出ていた力士だと評し、「獲物を容赦なく狙う『ウルフ』は、頂点を極めた後も、引退の直前までずっと狡猾だった。力士として思えば今の『日本出身力士』たちに最も欠けているのは、この千代の富士的な「ハングリーさ」「貪欲さ」ではないかと」と、大横綱がこの世から去った、この後の各界を気遣っていた。
「哀悼の意を表したい」と、閣下。「大鵬、北の湖、千代の富士…そういえば、千代の富士の連勝が53で止まった大乃国戦が、大相撲の「昭和の最後の一番」だった」と、個人を偲んでいた。
(サンケイスポーツ)
強くて、品位があった横綱だった。
日本人力士が見習う人だろう。
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