最悪の事態を想定し、水面下で陽岱鋼の獲得へ動く方針を固めた。ある球団幹部は「糸井のことも含めて、いろいろなことを予測して準備しないといけない。調査は進めている」と明かし、ポスト糸井の有力候補として認めた。
台湾出身の陽岱鋼はゴールデングラブ賞3度の外野守備に加え、13年に盗塁王を獲得した走力、さらに14年に自己最多25本塁打をマーク。今季も打率・293、14本塁打で日本ハムの10年ぶり日本一に大きく貢献した。打率・306、17本塁打、53盗塁で盗塁王も獲得した糸井に代わる人材として最適といえる。
また、中堅を守れる選手として関心を寄せていた中日・大島が残留表明したことで、今季取得した国内FA権を行使することが濃厚な陽岱鋼の動向に注視する。福良監督にとっては、07年に就任した日本ハム2軍監督時代から、ヘッドコーチとして12年まで指導した教え子となる。シーズン中も対戦した際には必ずあいさつを交わし、談笑もした。獲得へ大きなプラス材料となりそうだ。
あす2日には長村裕之球団本部長が都内のオリックス本社を訪れ、宮内義彦オーナーと会談する予定。糸井との残留交渉の進捗(しんちょく)状況などを含めて現状把握に努めるとみられる。最優先は糸井の流出阻止で、当初3年12億円とみられた条件を4年総額18億円前後まで上積みされた。長村球団本部長は「最大の誠意をお伝えした」と引き留めに全力を尽くし、福良監督も「一度話はすると思う」と直接慰留に乗り出す考えだ。
FA申請解禁初日は糸井から球団に連絡はなかった。決断を待ちながら、水面下では有事への準備を整えていた。
(スポニチアネックス)
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