果報は寝て待つ…ではないが、阪神は悠然とFA宣言解禁日を迎えた。球団幹部が「権利を行使すれば(糸井を獲得に)行く用意はしています」と話すようにすでに臨戦態勢は整った。ゆったりと“恋人”の決断を待つ構えだ。
まさに泰然自若だ。兵庫・西宮市内の球団事務所で報道陣に対応した四藤慶一郎球団社長は「(盛り上がっているのは)紙面上だけでしょう?」と余裕の笑みを浮かべ、「今後、補強はするけど、個別かつ具体的な話で今お話しできることは何もありません」と話すにとどめた。高知・安芸市内で秋季キャンプを指揮している金本監督も「(広島の)新井の話? 新井FAやで」とニヤリ。その上で「まあ、それ(FA)は全部フロントに任せていますから。編成面においてはね」と言葉を継いだ。すでに意向は余すこと無くフロントに伝えられているというわけだ。
それも入念な調査をした上で周到に準備を整えているからに他ならない。阪神は8月中から糸井を筆頭としたFA権保有選手の獲得調査を開始。その結果、今季ともにリーグワーストに沈んだチーム打率、盗塁数の向上に直結する存在として糸井に白羽の矢を立てた。
「追い風」にも背中を押された。獲得調査を進める中で糸井が首都圏に自宅を構えているにも関わらず在阪球団でのプレーを希望しているという情報をキャッチ。他球団の参戦がなく、現所属球団のオリックスとの一騎打ちとの公算が大きくなったことで球団の方針も「糸井獲り」に定まった。獲得に成功した暁には糸井を右翼起用して福留を一塁へ…などといった来季構想の青写真が、より鮮明なものとなる。
就任1年目に苦杯をなめさせられた金本監督が「巻き返す年、見返す年」と位置づける来季。球団関係者が「最善を尽くす」と話しているように、そのキーマンとなりうる存在を獲得するために、契約年数、年俸などの条件面についても最大限の誠意を示す用意がある。糸井はBランク選手のため獲得に成功した場合は人的補償プラス今季年俸の40%か、今季年俸の60%に当たる補償金が発生するが、出血覚悟で大型補強の実現を目指す。
FA宣言解禁初日に糸井からオリックスへ意思表示の連絡はなかった。宣言は9日に締め切られ、10日に「FA宣言選手」が公示される。交渉解禁は11日。猛虎の臨戦態勢は万全だ。
(スポニチアネックス)
阪神に移籍か、それともオリの引き止め策成功だろうか。
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