ページビューの合計

2016年11月3日木曜日

【巨人】トレードの大田が心境激白「つらい思い出も楽しい思い出も…全てを今後の糧に」

 巨人の大田泰示外野手(26)、公文克彦投手(24)と日本ハムの吉川光夫投手(28)、石川慎吾外野手(23)との「2対2」の交換トレードが2日、両球団から発表された。先発補強を目指す巨人と右打ちの大砲を求める日本ハムの思惑が一致し“ドラ1”同士の大型トレードが実現。常にファンの期待と注目を集めた大田が、現在の心境をスポーツ報知に激白した。

 どんな時も前向きな大田らしい受け止め方だった。日本ハムへの突然のトレード通告にも、すぐに気持ちを切り替え、新天地で花を咲かせることを誓った。

 「1軍でいい結果を出せなかったのは悔しいですが、8年間やってきたことを自信にして、北海道で活躍する姿を見てもらえるように頑張ってきます」

 慣れ親しんだ巨人のユニホームに別れを告げる。寂しさはあるが、最初に湧いてきた感情は、支えてくれた人へのお礼だった。

 「たくさんの方が自分をサポートしてくれた。いろいろな指導者の方にも出会うこともできた。全てが自分の財産です。これまで自分に携わっていただいた全ての方に感謝したいです」

 中でも特に恩を感じているのが、原辰徳前監督だ。中学時代、地元広島の野球教室で教えを受け、打撃を絶賛された。この運命的な出会いをきっかけに憧れを抱き、原さんの母校・東海大相模高の門をたたいた。高校通算65本塁打を放ち、08年ドラフト1位でソフトバンクと巨人が競合。くじを引き当てたのが原さんだった。

 「原監督には本当に感謝の思いしかありません。原監督がいたから巨人に入ることができたし、いろいろ経験させてもらった。一緒に野球をやる、という小さい頃の夢がかない、1年目から1軍の試合にも出してもらい、勝負に対する厳しさを教えてもらいました」

 松井秀喜さんの背番号「55」を継承して注目を浴びた。重圧と闘いながら、入団5年で2本塁打とプロの壁にぶつかった。14年から「44」に変更も通算9本塁打。今季は62試合、119打席で打率2割2厘、4本塁打に終わった。

 「ジャイアンツにはプロ野球の厳しさを思い知らされました。並大抵の練習量ではレギュラーの人にかなわないし、内容の濃い練習をする体力、しっかりとした考え方がないとやっていけない。伝統あるレベルの高いチームで野球をやらせてもらい、常に安定したパフォーマンスを発揮する難しさも感じました。つらい思い出も楽しい思い出もありますが、全てを今後の糧にしたいです」

 広い札幌Dを本拠地とする日本ハムでは「走、攻、守」の三拍子に大きな期待がかかる。同じ右打者で尊敬する先輩、中田の存在も心強い。今は、北海道で暴れ回ることしか頭にない。

 「自分が結果を出してレギュラーになっていれば、このトレードはなかったかもしれない。それは分からないですが、もう一度チャンスを頂いたとプラスに捉えて、強い気持ちで挑みたい。巨人で学んだことを胸に、全力を尽くす決意です」

 活躍が、最大の恩返しになる。(片岡 優帆)

 ◆大田 泰示(おおた・たいし)1990年6月9日、広島県生まれ。26歳。東海大相模高で通算65本塁打し、08年ドラフトで巨人、ソフトバンクが1位競合。原辰徳監督(当時)がくじを引き当てた。11年5月18日の楽天戦でプロ初安打、初打点。12年9月23日のヤクルト戦でプロ初本塁打。188センチ、95キロ。右投右打。今季年俸2100万円。
(スポーツ報知)

0 件のコメント:

コメントを投稿