悩み抜いた末の決断だった。球団側は功労者への慣例として、本人に進退を一任。優勝決定後には、松中の最終的な決断のためにも、今季初めて一軍での打席が与えられていた。この日は楽天・松井裕から今季10打席目にして初安打となる適時打を放った。その中で松中は「もっと、こうしたら打てるんじゃないかという自分がいた」。むしろ現役への思いを強くしたという。選手層の厚い現チームでは構想外でもあることから、他球団に活躍の場を求めることになった。
これで生え抜きの大ベテランにして、平成唯一の3冠王がチームを去ることになった。移籍先に注目が集まる中、球団内からはこんな声が出ている。「一時の気の迷いとしか思えない。本当に大丈夫なのか。素直にうちで終わればよかったのに。どこからも声がかからなかったら、どうするつもりなんだろう」(球団関係者)
というのも、今回の決断が後先を考えずに突っ走ってしまったものと見られているからだ。過去にも交流戦の優勝セレモニーを突如としてボイコット。球団からペナルティーを科されるなど、ある意味で裏表のない性格から衝動的に動いて失敗したことがあった。「悪いやつじゃないんだよ。だけど、そういうところで損をしてきてもいるからね」(チーム関係者)
現状は白紙としながらも希望はNPB11球団。待ってましたとばかりに争奪戦になればいいが、今季は引退選手が続出しているように各チームが若返りに向かっている。しかも、過去のトラブルのイメージが残ってもいる。近い関係者にも今後のアテについて「全くない」と話しているとのことで、これでは3冠王が寂しい最後となる可能性も出てきてしまう。
仮に移籍先が見つからずに改めて引退となった場合について、球団フロントの一人は「そうなった場合はオープン戦などでセレモニーをやってもいいと思う。いろいろな意見があるだろうけど、判断を誤ってしまったというだけで、その功績は失われないんだからね。それが大人の対応だと思う」と話した。
現役最高峰の実績を誇るのは確か。「ないことがないのはオリックスでは。瀬戸山さん、加藤さんとダイエーの流れをくむフロントがいる。功労者を切ってまでコストカットをしているが、松中の今の年俸(推定3500万円)を考えれば、当たればもうけものとして獲るかもしれない」(球界関係者)との声もあるが、その一方で関東の球団を希望しているという話もある。果たしてどうなるのか。 とにかく、元3冠王がバット1本で再スタートを切ることになった。
(東スポWeb)
自分で納得できるまで、プレーをするしかないのだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿