日米首脳会談は、安倍首相が4月に訪米して以来。会談の冒頭、オバマ氏は日本で安全保障関連法が成立したことを歓迎し、「日米同盟は日米の安全保障の基軸になる」と語った。首相は「盤石な日米同盟をアジア太平洋地域、国際社会の平和と安定と繁栄に一層貢献するために、(この会談を)新たな日米協力の序章としたい」と応じた。
日本側の説明によると、オバマ氏は南シナ海問題について、海洋進出を強める中国を念頭に日米協力の必要性を強調。中国が造成する人工島から12カイリ内に米艦が進入する航行の自由作戦を取り上げ、「今後日常の行動として実行する」と説明した。
これに対し、首相は「米軍による航行の自由作戦を支持する」と表明。南シナ海における自衛隊の活動について「(同海域の)情勢が日本の安全保障に与える影響を注視しつつ検討する」と語り、作戦そのものへの参加ではなく、当面は防衛装備品の提供など東南アジア諸国への支援で対応する考えを示した。
また、両首脳は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の大筋合意を歓迎した上で、早期発効を目指すことでも一致した。
この他、首相は沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画について「普天間移設は辺野古が唯一の解決策だ」と強調し、同時に米軍基地の整理・縮小など沖縄の負担軽減を求めた。パリで起きた同時多発テロ事件について、首相は「大統領と同じく激しい憤りを感じている」と伝えた。(マニラ=石井潤一郎)
(朝日新聞デジタル)
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