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2015年5月27日水曜日

有原航平 プロ初黒星も成長への糧 日本ハム有原は“勝利を計算できる投手”

デビュー戦で見せた“空気”、「ベテラン投手のような投球」
 並のルーキーじゃない――。日本ハムの有原航平投手は、たった1度の登板で、しかも初陣で周囲にそう思わせた。いや、確信させた。

 5月15日のオリックス戦にプロ初先発。「緊張した」という初回こそ、四球と2本のヒットで1点を失ったが、2~5回までは内野安打1本に封じ込めた。6回には4番のカラバイヨに甘く入った変化球を左翼スタンドまで運ばれたが、トータル6回2失点。いわゆるクオリティースタート(6回以上を自責3以内)で初勝利を手にした。

 十分な結果もさることながら“空気”をつくりだす才能に長けている。実に淡々と投げる。初回を乗り切ってからは新人らしからぬ落ち着きようで試合を支配した。試合を見守った多くの解説者が「ベテラン投手のような投球」と口を揃えたほどだ。

 150キロを超える直球に加え、スライダーやカットボール、チェンジアップなど変化球は多彩。だが、それだけですぐに結果を出せるほど甘い世界ではない。2度目の登板となった24日のソフトバンク戦では、2回までに5点を失い、5回9安打6失点でプロ初黒星を喫した。
ドラフトで4球団が1位指名した逸材は「豪腕の変化球投手」
 降板後、本人は「甘い球を長打にされてしまったことが反省点です。立ち上がりから点を取られリズムを悪くしてしまいました。実力不足です」と話した。もっとも、相手は22日にエース大谷から5点を奪い、KOしたソフトバンクの強力打線。光るボールもあっただけに、成長への糧となる一戦だった。

 プロ1年目で活躍できる選手は、そう多くはない。ではなぜ、勝つのか。ここまで評価されるのか。

 栗山監督は有原を「豪腕の変化球投手」と表現する。黒木投手コーチは、その意図を「どのボールでもストライクが取れるし、どのボールでも勝負することができる。決め球にもなる」と分析した。裏を返せば、どんなタイプのバッターにでも対応できるということでもある。

 正直、派手さはない。最速162キロの剛速球を携え、打席にも立ちながら、先発マウンドに上がる大谷翔平に比べれば、なおさらだ。だが、確実に“勝利を計算できる”投手なのだろう。

 強豪・広陵高でエースを張り、甲子園にも出場した。早大でその投球術に磨きを掛け、大学NO1投手とも評された。昨秋のドラフトでは4球団が1位指名している。その資質は誰もが認めるところだった。
“弱点”は完成度の高さ?
 だが、早大4年時に右肘を痛めた。日本ハムに入団し、今年の春季キャンプは2軍スタート。右肘の状態を確認しながら、じっくりと1軍マウンドを見据えて調整を続けてきた。そして、初登板で初勝利。最速は151キロを計測し、周囲の不安や雑音を振り払った。

「甘いところに投げたら、確実にやられる。でもしっかり自分の投球ができれば、抑えることができる」。

 本人も手応えを感じている。

 あえて“弱点”を挙げるとするならば、完成度が高いということなのかもしれない。「力の抜きどころも分かっている。でも試合や相手によってはそこがスキになることもありますよね。かわし始めたら、怖い」。黒木投手コーチは、こう口にする。

 順調なスタートを切ったことは確か。どこまで記録を残すのか。どれだけファンを沸かせるのか。スター候補生の出現はいつの時代も大歓迎。前途洋々だ。
(Full-Count)
 成長が楽しみです。内角の攻めと外角低め、が大事なんだろう。
 

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