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2015年5月28日木曜日

FIFA:贈収賄容疑で幹部ら7人逮捕 総額185億円か

 【ベルリン中西啓介、ニューヨーク田中義郎、草野和彦】米司法省は27日、サッカー・ワールドカップ(W杯)の放映権などを巡り、不正に巨額の利益を得ていたとして、国際サッカー連盟(FIFA)のジェフリー・ウェブ(50)、エウヘニオ・フィゲレド(83)両副会長ら幹部9人と、米国などのスポーツマーケティング会社社長ら5人の計14人を贈収賄や詐欺、資金洗浄などの罪で起訴したと発表した。1991年から現在まで、企業側からFIFA幹部に不正に渡った金額は総額1億5000万ドル(約185億円)以上とされ、世界最大のスポーツイベントを巡る事件に発展した。
 米司法当局の依頼を受け、スイスの司法当局は同日早朝、ウェブ副会長ら7人を逮捕。米司法省の発表によると、FIFA幹部らは91年から現在まで、W杯の放映権やスポンサー権に関する便宜の見返りとして、スポーツマーケティング会社から、巨額の賄賂を受け取っていた。2010年の南アフリカW杯の開催地選定などに関しても、現金の受け渡しなどが行われたという。27日に記者会見したリンチ米司法長官は、起訴内容には11年のFIFA会長選なども含まれるとしたうえで、ブラッター会長に捜査が及ぶかどうかについては言及を避けた。
 FIFAにとって最大の収入源はW杯関連の放送権やコマーシャル関連。11〜14年の全歳入のうち7割は14年W杯の放送権料などで占めている。米連邦捜査局(FBI)のコミー長官は「汚職と拝金主義の文化をつくり上げた」として、起訴されたFIFA幹部らを厳しく批判。司法省は「今回の起訴は捜査の最終章ではない」として訴追対象者が拡大する可能性を示唆した。

 ◇18、22年W杯招致疑惑

 スイス検察も27日、W杯開催地選定を巡る疑惑で独自捜査に乗り出した。ロイター通信によると、スイスの検察当局は、18年のロシアW杯と、22年のカタールW杯の開催地決定についても、不正行為や資金洗浄が行われた疑いがあるとして、捜査に乗り出したという。関係者宅の家宅捜索では、これらの疑惑に関する資料も押収。チューリヒにあるFIFA本部のコンピューターからも関連資料を押収したという。
 28日からチューリヒで開かれるFIFA総会では、ゼップ・ブラッター会長の再選が有力視されていた。ブラッター氏は捜査対象には含まれていないが、ブラッター体制の屋台骨を支える幹部から逮捕者が出たことで、国際大会開催地選考や事業運営で透明性を求める声が高まるのは必至だ。記者会見したFIFAの広報担当者は「FIFAは被害者だ」と釈明した。会長選とロシアW杯、カタールW杯については予定通り行う方針。
 【ことば】国際サッカー連盟(FIFA
 サッカーの国際統括団体。本部はスイスのチューリヒ。1904年に設立され、現在、209カ国・地域が加盟。4年に1度開かれるワールドカップの主催が最大事業で、世界各地で普及活動も展開している。会長は、スイス人のゼップ・ブラッター氏。理事会は会長1人、副会長8人、各大陸連盟選出理事15人、女性理事1人の計25人で構成される。日本サッカー協会は29年に加盟。同協会の田嶋幸三副会長が4月、アジア・サッカー連盟選出のFIFA理事への就任が決まった。
(毎日新聞)
 贈収賄で185億円以上か、桁が違う。
 世界一メジャーなW杯の開催地決定・放映権をめぐり、カラクリがあったんだ。

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