1990年代以降、東京・渋谷を中心に話題を集めた「コギャル」や「ヤマンバ」といったギャルたち。奇抜なメークなどが目をひいたが、最近、新たに「ネオギャル」と呼ばれる外国人風のファッションをした女性たちが現れた。新時代のギャルとは--。【野村房代】
◇ネットで憧れ、英語も勉強
脱色して紫やピンクに染めた髪、英国のスーパーモデル風の太い眉や濃い口紅。グレーなど色の薄いカラーコンタクトをはめ、足元は厚底靴--外国人風の派手な装いがネオギャルの特徴とされる。
一昨年、ファッション誌の特集がきっかけで注目された。昨年は国内最大級のファッションイベント「東京ガールズコレクション」でネオギャルのショーが行われ、ネオギャル誌も創刊された。
彼女たちがファッションの参考にするのは、写真共有アプリ「インスタグラム」などのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿された海外の有名人やブランドなどの写真だ。厚底靴を多く扱う靴店「ラグラスマート」(東京・原宿)で働く阿部友里加さん(22)は、香港のモデルや米国の女優など約100人をフォロー。「良いと思う部分を少しずつ取り入れている。雑誌は見ない」と話す。
「SNSで即時に現地の流行に触れられるようになり、海外への関心が高まったのでは」と説明するのは洋服ブランド「FIG&VIPER」プロデューサーの植野有砂(ありさ)さん(25)。ネオギャルの代表的存在で、昨年刊行したオフィシャルブックは3万部売れた。インスタグラムのフォロワーは国内外に22万2000人。植野さんが洋服などの写真を投稿すると、すぐに何千もの「いいね」が押され、「かわいい」などと日本語や英語のコメントがつく。
◇繁華街に集わずSNS上で交流
なぜ「外国人」なのか。ギャル文化に詳しい立教大非常勤講師(社会学)の荒井悠介さん(33)は「もともとギャル文化は、米国西海岸をはじめとする海外への憧れから始まった。そういう意味では原点回帰と言える」と話す。
しかし、髪を脱色し、原色の服を着た外見とは裏腹に、落ち着いた発言が目立つ。植野さんは「英語力と学歴は必要」と中学から英会話教室に通い大学を卒業。「仕事に響くので平日は夜遊びせず、午前0時までに寝る」と話す。
植野さんに憧れ岐阜県から上京、ギャルが多く通うファッション・美容の専門学校「BLEA」を今春卒業した加藤あおいさん(20)も脱色した髪にカラコンのネオギャル。「ちょっと悪そうな格好は、中身がちゃんとしているからこそかっこよく見える」と語る。
荒井さんは、一部で負のイメージもあったかつてのギャルとネオギャルは対照的という。「性的・社会的な逸脱は、昔のギャルにとっては武勇伝になった。しかし東日本大震災以降、SNSが普及、情報が拡散し後々まで残ってしまうため、良いことだけを発信するように気をつけているのではないか」と分析する。
またSNS上での交流が主流になり、特定の場所に集う必要がなく、渋谷センター街のような「たまり場」はなくなったという。
人とは違う派手な装いをしながらも、堅実志向が強いネオギャル。電通若者研究部の西井美保子研究員(29)は「不景気の中で育ち、SNS上で常に評価にさらされる今の若者は、失敗に敏感。目立ちたい一方、嫌われることは望んでいない」と解説する。個性と協調の絶妙なバランス感覚が必要とされる時代が、新しいギャルを生んだようだ。
(毎日新聞)
外国のスーパーモデル風のギャルなんでしょうか。
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