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2015年5月28日木曜日

<FIFA幹部逮捕>会長選直前に激震 長年の疑惑明るみ

 【ベルリン中西啓介、鈴木英世】世界で最も裕福なスポーツ団体の一つとされる国際サッカー連盟(FIFA)に27日、米国とスイスの司法当局による捜査のメスが相次いで入った。ワールドカップ(W杯)招致などを巡り、長年疑惑が持たれていたFIFA幹部による贈収賄事件が明るみに出たことで、17年にわたりFIFAを率いてきたブラッター体制には激震が走った。5選を目指すブラッター会長と、ヨルダンのアリ王子が立候補している会長選挙が29日に行われる予定だが、先延ばしにしてきた組織改革を迫られることは必至だ。

 米国のリンチ司法長官は27日の声明で「今回の事件は米国や海外で横行しており、組織的で根深いものだ」との認識を示し、今後も捜査が続くことを示唆した。一方、幹部逮捕の一報を受けて記者会見したFIFAのデグレゴリオ広報官は「FIFAにとってはすばらしい日ではないが、良い日だ」と述べて汚職摘発を歓迎し、「会長は疑惑の当事者ではなく、辞任する理由はない」と責任回避に努めた。加えてFIFAとして「被害者として協力する」と逮捕者個人の問題とも受け取れる発表もし、捜査機関に協力する姿勢を示した。

 しかし、総会直前に2人の副会長を含む幹部が逮捕されたことで、28日からの総会が円滑に行えるかは不透明だ。総会では会長選のほか、各大陸連盟で選出された理事の承認もあるが、2002年から11年までFIFA理事を務めた小倉純二・日本協会名誉会長は「(理事を兼ねる)副会長が2人捕まっている。そういう人を承認していいのか、というのはある」と疑念を持つ。「こんなことはFIFAの歴史で初めて。岐路に立たされており、情報を精査して早急に対応を決めなくてはならない」と語った。

 ◇開催地選定ずさん

 近年、欧米メディアでは、W杯など国際大会の放映権収入や、スポンサー契約による膨大な資金を持つFIFAに対し、透明性の高い運営を求める報道が相次いでいる。こうした動きを強めたのが、10年に決定した18年のロシアW杯と22年のカタールW杯招致を巡る疑惑だ。

 ロイター通信によると、両大会の招致を巡り贈収賄があったとの疑惑が浮上。FIFAは12年に米国出身の元検事に依頼し疑惑の調査を開始した。だが昨年、調査結果の全文公表を拒否した上で、「重大な違法行為はなかった」とする総括文を発表するにとどめた。元検事は「誤った解釈だ」と抗議し、辞任していた。

 また、サッカーの伝統がなく、通常W杯が開催される6、7月に猛暑になるカタールでの開催を疑問視する声は当初から根強かった。FIFAはこうした指摘に対し今年3月、大会を11、12月開催に変更することを発表。改めてずさんな開催地選定を印象付ける結果になった。

 これまでもFIFA幹部を巡っては、汚職に関する報道が後を絶たなかったが、大規模な摘発に発展することはなかった。FIFAで長く委員を務めたツバンチガーさん(69)は27日、独メディアの取材に「やっと起こるべきことが起きた」と捜査を歓迎。「会長の再任を防ぐだけでは不十分だ。問題はFIFAの構造そのものにある」と述べ、徹底した改革を求めた。
(毎日新聞)

 金権体質なんだろう。
 贈収賄発覚の理由は、スイス銀行なんだろうか。

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