朴政権下で慰安婦問題が妥結するとしても、安倍首相が指摘したように懸案が永久に解消される保証はない。慰安婦問題が日韓の懸案となった1990年代初め以降、日韓の歴代政権が「解決」を試み繰り返してきたにもかかわらず、“韓国側の事情”で合意は覆り、政権が代わるたびに問題は蒸し返されてきた。
韓国での日本への反発はますますエスカレート。特に朴政権発足後の2年8カ月余りは局長級協議を継続しているが、事実上、日本に対応を強いるばかりの状態が続いている。今回も朴大統領は、問題解決を完全に日本側に委ねた。
慰安婦問題の進展について韓国メディアでは最近、「期待できない」との悲観論が目立った。就任以降、慰安婦問題に固執し、安倍首相との会談を拒み続けた朴大統領に、韓国では「首脳同士が直接会って話すべきだ」との意見が元政府当局者らから出ていた。
かたくなな態度をとり続けた朴大統領に、日本での対韓感情は悪化した。朴大統領は自らを閉塞(へいそく)状態に追い込んでしまい、日本国民が朴大統領の訪日を歓迎できる雰囲気さえうせた。
安倍首相の訪韓により実現した首脳会談で、朴大統領は慰安婦問題解決の可能性を得た。とりあえずは最悪の“対日閉塞”の状況から抜け出した形だ。
早期の問題解決を図りたい朴大統領ではあるが、任期は後半に入り、政権交代は約2年3カ月後に迫っている。日本の対応にかかわらず、その後の韓国が慰安婦問題へのこだわりを払拭する確証はないのが実情だ。
(産経新聞)
慰安婦問題は、蒸し返しで永遠に解決しない。
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