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2015年11月19日木曜日

茨城県、魅力度3年連続最下位を逆手にキャンペーン

 都道府県魅力度ランキングで3年連続最下位(7年中6年で最下位!)の茨城県が「のびしろ日本一。いばらき県」をスローガンに「いばらきを知ろう!大キャンペーン」をスタートした。最下位を逆手に取り「全国47位ってことは、のびしろ日本一ってことなんだ」。今年のランキングでは40位以下の常連だった隣県の栃木が35位へ急上昇した。県を挙げて巻き返しを図っている。

 調査が始まった09年以降、7回のうち6回が最下位という泣きたくなる結果に、茨城県では「魅力度は『観光に行ってみたいか』という『観光意欲度』に影響される傾向が強い。世界遺産があるわけでも有名な温泉があるわけでもない。東京との距離的な問題もあって『行ってみたいか』となると、どうしても評価が低くなってしまう」と分析する。

 しかし、隣の栃木は順位を6つ上げ、35位に躍進した。調査しているブランド総合研究所は「茨城県の観光意欲度は7年連続最下位。有名観光地が少なく、県のイメージをけん引する市町村がない」と話す。7年連続1位の北海道が函館(1位)、札幌(2位)、小樽(5位)、富良野(7位)と魅力的な都市が並んでいるのが代表例で、北関東で1歩抜け出した栃木も東照宮400年式年大祭が行われた日光が14位に入った。これに対し茨城はつくばの171位が最高で、県庁所在地の水戸は197位だ。

 今春、JR上野東京ラインが開業し、茨城は乗り換えなしで東京駅、品川駅と結ばれた。県では「東京駅も品川駅ももはや茨城です」と行きやすさをPRしたが、ネットでは「それはねーよ」という声が上がった。県出身の渡辺直美(28)とピース綾部祐二(37)を宣伝隊長にしたキャンペーンも13年から展開しているが、2人をリーゼント姿にした1発目の「47位の県?上等でございます」「なめんなよ■いばらき県」は「ますますイメージが悪くなる」と県議会で問題にされた。PR下手だ。

 今月始まったキャンペーンは、ゆるキャラの「ねば~る君」も加わって「のびしろ日本一。いばらき県」。「魅力度ランキングにとらわれるのはどうか」という意見もあったというが、PR動画は架空の都道府県高校を舞台に「茨城、また47位」「でも全国47位ってことは、のびしろ日本一ってことなんだ」と、ランキングを逆手に取った。

 県では「ひたち海浜公園のネモフィラの丘は『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』に選ばれ、竜神大吊橋のバンジージャンプは高さ100メートルで日本一。グーグルのテレビCMで取り上げられました。動きが出てきたし、楽天トラベルがまとめた今年のゴールデンウイークの国内旅行の予約状況で茨城県の対前年比の伸び率は+104・6%で第2位でした」と、のびしろに胸を張る。

 キャンペーンには茨城の名産品も次々と出てくる。「茨城県がなくなったら、レンコン、干しいもショックが起きて、日本がパニックになる」。自虐的なPR動画はここまで10万回近く再生された。「『なめんなよ』の再生回数にもう並びました。評判も良く、ハイスピードで拡散している」と県では手応えをつかんでいる。

 最下位脱出なるか。【中嶋文明】

 ◆地域ブランド調査 ブランド総合研究所が、47都道府県と1000市区町村の魅力度、認知度、イメージなど77項目を年1回、調査している。回答者は20~60代で約3万人。

※■はハートマーク
(日刊スポーツ)

 有名な観光地が少ないのが最下位の理由のようだ。

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