「(Q.データの偽装を自身でも?)はい、私もやっておりました。私の見るかぎり、私以外の人間も当然同じような偽装はやってきました」(元施工管理者の男性)
「自分も杭打ちのデータを改ざんした」
こう証言するのは、旭化成建材を含む複数の会社の下請けで杭打ち工事を行った元施工管理者の男性です。男性は「データの改ざんは業界内で横行している」と話しました。
「偽装というか、多少のデータ操作は(業界では)スタンダードなこと」(元施工管理者の男性)
なぜ、データの改ざんは行われたのでしょうか。
「書類をまとめて失ってしまったのでは」(旭化成・平居正仁副社長)
「施工報告書をきっちり作成する仕事は、あまり重視していなかった」(旭化成・柿沢信行執行役員)
改ざんの疑いがあるのは、全国で300件前後の建物。関与した施工管理者は、少なくとも30人以上に上ります。旭化成側は、現場がデータを集めた書類を軽視していたと説明。会社の書類を管理する体制にも問題があったと謝罪しました。さらにJNNの取材で、背景の一端が明らかになってきました。
「データが足りないなら適当に作ってでも出せ。とにかくデータは全部そろえろ」
これは旭化成建材の工事でデータ改ざんにかかわった、ある施工管理者が元請けの建設会社から言われた言葉。旭化成側の聞き取り調査の中で証言したものです。元請けと下請けとの関係がデータ改ざんにつながった可能性を示唆しています。
旭化成建材など複数の会社から工事を請け負い、30年近く杭打ち工事を担当していた元施工管理者は、自らもデータ改ざんに手を染めた心境をこう話します。
「偽装ありありの杭打ちという環境なんですけれども、仕事に携わって最初のころ、偽装するのは確かに怖いというか、大丈夫なのという不安はある」(元施工管理者の男性)
男性は「杭打ちは安全に余裕を見て計算されているため、データが改ざんされていても安全性は確保されていた」と話します。
「杭打ち業界全体として、多少の不良で大きな影響は出ないという文化というか、考え方になっている」(元施工管理者の男性)
この男性によりますと、構造の強度に問題がなく、データがうまく取れなかった時などに、書類上のつじつまを合わせ工事期間を守るために元請け会社も了解した上で改ざんが行われることがよくあったといいます。
「データが取れなかったこと、データをなくした、汚したということも正確に報告する。非常に書類至上主義で、書類が欠けていることがなかなか許されない。なので、『なんとかしろ』ということで用意することはあります」(元施工管理者の男性)
そして、データの改ざんは旭化成建材以外の複数の会社でも行われていたと指摘しています。
「(Q.他社でもデータの改ざんは?)やっていますね、私はやってきましたね。ちゃんとデータを掘っていけば他の会社でもやっていることは出てくる。分かることになると思います」(元施工管理者の男性)
(TBSニュース)
データ改ざんは日常茶飯事か。
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