【ワシントン清水憲司】ホンダは3日、自動車部品大手タカタの欠陥エアバッグ問題をめぐり、今後発売する新モデル車にはタカタ製の主要部品を採用したエアバッグは使用しないと発表した。また、米運輸省は同日、この問題でタカタに過去最高額となる最大2億ドル(約240億円)の民事制裁金を科すほか、事故原因の可能性が指摘される硝酸アンモニウムを使ったエアバッグの生産・販売を段階的に止めるよう命じたと発表。タカタは主要取引先と主要製品を失ったことになり、今後の経営に大きな打撃となりそうだ。
タカタ製エアバッグは、作動時に異常に大きな爆発が起こり、エアバッグ内の金属片が飛び散る欠陥が判明。米国で7人が死亡し、100人近くが負傷しており、米運輸省や自動車メーカー、タカタが原因究明と、リコール(回収・無償修理)を進めている。
ホンダは「インフレーター」と呼ばれるエアバッグの起動装置について、全世界で今後市場投入する新モデル車へのタカタ製品の使用を取りやめる。現在生産中の車についても、2016年末までに他社製に順次切り替えていく方針だ。
ホンダによると、エアバッグの欠陥問題を調査する過程でタカタから提出された資料を調べたところ、一部のデータで虚偽の報告が見つかったという。使用停止の理由について、「タカタ製品が危険と判断したわけではないが、リスクを減らす必要がある」としている。
ホンダはエアバッグ起動装置の約4分の1をタカタから調達している。主要取引先のホンダが使用打ち切りを決めたことで、他の自動車メーカーも追随する可能性がある。
一方、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は3日、2億ドルの民事制裁金を科し、同時に硝酸アンモニウムを起動装置に使用するエアバッグの米国内での販売を、19年以降は原則として認めないと発表した。同省によると、タカタは「欠陥に気付いていたものの、適時のリコールを怠った」ことを認め、制裁金の支払いに合意した。まず7000万ドルを支払い、十分な対応ができなかったり、新たな違法行為があったりした場合には、残り1億3000万ドルの支払いが求められる。
タカタは命令を受けて、問題のエアバッグの生産を段階的に減らし、米国内で18年末までに供給を停止すると表明した。硝酸アンモニウムを別の薬品に切り替えて、製品供給を続ける方針。高田重久会長兼社長は4日、東京都内で記者会見し、「エアバッグ不具合で亡くなった方のご冥福をお祈りするとともに、関係者にもおわびしたい」と陳謝した。
(毎日新聞)
タカタの対応が遅すぎたのだろう。
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