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2016年6月8日水曜日

舛添要一知事「ホテル面談相手の名は言えない」 自公も追及、消えない疑念

 千葉県のリゾートホテルで知事と面談したとされる人物は果たして存在するのか――。7日開かれた東京都議会の代表質問は、前日に公表された舛添要一知事の政治資金の支出先に関する調査報告書の内容を追及する場となった。知事は各会派代表から「ホテルでの面談相手の名を明かせないのか」とただされたものの回答を避け続け、疑惑を深める結果を招いた。知事の進退をめぐっては、与党の自民・公明は知事への不信感を強くにじませる一方、共産・民進は「速やかな辞職」を求めた。

「あまりにせこい。せこすぎる」「本人調査もしないのは不自然」
 「相手側の立場もあるので、ご迷惑をかけるので名前を言うことはできない」。神林茂氏(自民)の追及に対し、知事が書面に目を落としながらそう述べると、議員や傍聴人など議場全体から一斉に大きなヤジが飛んだ。

 神林氏の質問は「千葉県木更津市のホテルで開いた会議の参加者の名前を公表してほしい」という内容。知事は2013、2014年の1月初めに両年とも同じホテルで会議を開いたとし、計37万円を政治資金として収支報告書を提出していた。だが週刊文春によって実態は家族連れの正月旅行だったと暴かれると、5月の記者会見では「いずれの年も事務所関係者と会議を開いていたので問題はない」「家族がいる部屋で開いたことは誤解を招いた」と釈明していた。

 6日公表された調査報告書では13、14年とも元新聞記者の出版会社社長との政治的な面談はあったものの、実態としては家族の正月旅行で「不適切」支出との指摘を受けた。ただ調査を担った弁護士2人は社長本人には会えず、周辺者の話から面談についての「事実認定」を行ったとしていた。

 しかし報告書によると、2年連続で同一人物が、偶然にも家族水入らずの正月旅行先の同じホテルを訪れたことになる。神林氏は「面談相手は議会に対しても答えられないのか」と再質問で同じ問いをぶつけたが、知事はあえて回答せず、議場はまたしても騒然となった。

 和泉なおみ氏(共産)も「2年連続で正月に会議したのに相手の名も言えず、(弁護士が)本人に調査すらしていないのは不自然」と迫ったものの、知事はここでも会議メンバーの名前に関する答弁を避けた。

 都民の知事への不信感の高まりからか、この日は都議会与党の追及も厳しく、神林氏は「私は怒っている。あまりにせこい。せこすぎる」と怒りをあらわにし、辞職をめぐっても「知事の姿勢が変わらなければ、いつでも警告に代わる措置を取る」と語気を強めた。上野和彦氏(公明)は「辞職を求める声は高まっている」と批判した。

 野党の和泉氏、小山くにひこ氏(民進)は「けじめをつけるのなら速やかな辞職を」「自ら潔く身を引くべき」と迫った。

 知事自らが「第三者の目」と名付けた弁護士2人による調査報告書が公表された翌日とあってか、代表質問への注目度は高く、都議会のネット中継は神林氏と泉氏の質問のさなかにアクセス数が2000をオーバーして視聴不能の状態に。3000にまで増やしたがつながりにくい状態が続いていたという。都議会事務局は「初めての事態。(選挙資金疑惑で議会追及された)猪瀬前知事のときもこんなことはなかった」と話した。
(フリー記者・本間誠也)
(THE PAGE)
 面談相手を言えないのは、存在しないからだろう。
 大部分の人が、潔い辞任を望んでいる。

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