パ・リーグの灯は消さない! 日本ハムが首位ソフトバンクに快勝し、7年ぶりの8連勝だ。栗山英樹監督(55)が2回、重盗を仕掛け先制点を奪うなど、リーグ最多9勝の和田を揺さぶり、今季最短の4回でKOした。北海道に本拠地を移転した04年以降、8連勝以上を記録した3シーズン(06、07、09年)はリーグV率100%。奇跡の大逆転へ、負けられない戦いが続く。
未到の地に足を踏み入れた。就任5年目で初の8連勝。栗山監督は、喜びを冗談に包み込んだ。「初めてなの? ダメだねオレ。だっさ~。それはファンのみなさんすいません」。もちろん表情は、柔らかい。北海道移転後に8連勝以上した年はすべてリーグ制覇しており、「(3連戦の)初戦にこういう試合ができてよかった」。奇跡の芽が、少しだけ顔をのぞかせ始めた。
鮮やかに、大胆にタクトを振った。2回2死一、三塁。一塁走者の杉谷が、スタートを遅らせるディレードスチール。捕手が二塁へ送球した瞬間に、三塁走者の田中賢が一気に本塁へ突進した。2者ともにセーフになる完璧な重盗。田中賢は「(捕手が)高く投げたので、投げた瞬間にいきました」。自慢の機動力で王者をゆさぶり、もぎとった先制点。指揮官は「どんな手を使ってでも前に進む。必死になって体ごとぶつかるしかないから」。勝負の流れをたぐり寄せる、執念の采配だった。
ナイター前の午前中はいつもランニングやウオーキングに出掛けるが、この日はホテルの自室にこもった。7冠馬ディープインパクトの足跡をたどる、ドキュメンタリー番組に目を奪われた。栗山監督は昨オフ、同馬のもとを訪れている。「勝ちきるためにはどうしたらいいか。最高のお手本が近くにいた」。同番組は再放送。自身初の8連勝がかかる日、そして首位ソフトバンク戦の日に放送されていたことは偶然で、チャンネルを合わせたこともたまたまだった。「このタイミングで!? と思った」。運命に導かれるように、あらためて最強馬の強さの神髄に触れた。その夜、最強の敵を相手に、チームは見事に勝ちきった。
まだ8・5ゲーム差あるが、今日2日、明日3日の第2、3戦(ヤフオクドーム)は、ともに7勝を挙げている有原、大谷が先発する。栗山監督は「まだ遠いけど、何が起こるかは分からない」。3連勝すれば、独走状態にいる王者へ、リーグの行方を楽観視する敵地ファンへ、強烈なインパクトを残すことができる。【本間翼】
▼日本ハムが今季最多の連勝を「8」に伸ばした。8連勝は09年7月15~31日まで9連勝をマークして以来、7年ぶり。04年の本拠地移転後、8連勝以上は、06年(11連勝)、07年に2度(14連勝、8連勝)、09年に続き通算5度目で、その3シーズンはすべてリーグ優勝を果たしている。
(日刊スポーツ)
中田が不振で、8連勝はすごいだろう。
大逆転優勝を見たい。
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