1.強まる中国の自己主張
中国はこの海域で最も広い範囲の領有権を主張している。南シナ海のほぼ全域を囲むU字型の「九段線」――その形状から「牛の舌」とも呼ばれる――が中国の主張する境界だ。専門家によると、1947年に当時の中華民国(南京国民政府)が作成した地図がその根拠となっている(政権を担っていた国民党は現在、台湾を拠点としている)。中国は近年、海軍や沿岸警備隊、その他の海事関連機関を増強しており、以前よりも力ずくで領有権を主張するようになってきている。
2.領有権主張の根拠を強化
各国が領有権を争っている岩礁など自然の地物で海面より上に顔を出しているものは少ない。こうした環境下で領有権の根拠を強化するために、埋め立てをする国もある。フィリピンは南シナ海南部のスプラトリー(南沙)諸島の浅瀬の一つに米海軍のさびついた軍用船を置いた。中国はスプラトリー諸島にある岩礁など7カ所を実効支配しているほか、米政府当局者によると、埋め立てのペースを速めて人工島を建設している。その広さは昨年以降、1500エーカー(約6平方キロメートル)に達しているという。
3.パラセル諸島のにらみ合い
南シナ海の北部にあるパラセル(西沙)諸島もまた、各国が領有権で反目する現場になっている。中国は1974年にベトナムと交戦し、パラセル諸島を実効支配するようになった。昨年、中国が周辺海域に石油掘削装置(リグ)を設置したのを契機に中国船とベトナム船のにらみ合いが発生。ベトナム国内では反中暴動で5人が死亡する事態も起こった。その2カ月後、中国が掘削リグを移設したことを受け、にらみ合いは収束した。
4.米の見解は「公海」
中国は南シナ海の海岸線近くで監視活動を行う米海軍の艦船や軍機に対して妨害や抗議をしばしば行っている。2001年には中国軍の戦闘機が米軍の偵察機と衝突する事故が発生し、中国人パイロットが死亡した。米軍の偵察機はその際、中国の空軍基地に緊急着陸した。中国は米軍機の乗組員を拘束し、外交問題に発展した。この海域は公海であり、監視活動を行う権利があるというのが米国の見解だ。
5.集団より個別交渉で勝利めざす中国
各国の主張が重なり合う海域の領有権争いを多国間交渉で解決することに、中国は乗り気ではない。領有権の交渉は当事者同士の二国間で行いたいというのが中国側の意見だ。フィリピンは2013年に国連海洋法条約に基づき、仲裁裁判を請求した。中国が主張する九段線には法的根拠がないとフィリピンは訴えている。一方の中国は仲裁裁判を「受け入れもしなければ、参加もしない」と表明している。
(ウォール・ストリート・ジャーナル)
領有権を主張する中国と、公海とする米国との対立。
石油利権なんでしょう。
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