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2015年5月11日月曜日

東京地検特捜部と日歯連の因縁含みの対立 日歯連「迂回献金」事件 後援会の実態は? 主導したのは誰?

■解明の鍵握る役員

 東京地検特捜部が政治資金規正法違反容疑で強制捜査に着手した政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)の「迂回(うかい)献金」事件では、寄付の上限額を回避する迂回献金を日歯連の会計担当役員が主導していた疑いが浮上している。さらに、迂回先となった政治団体は組織実体に乏しく、日歯連と実質的に一体だった可能性も強まっている。そもそも政治団体間の寄付に上限が設けられた発端は、約10年前に特捜部が手掛けた「日歯連闇献金事件」だ。因縁含みの捜査の行方は-。

 ◆「合法的」と弁明

 今回の事件発覚のきっかけは今年1月に開かれた日歯連の臨時評議員会。平成25年、日歯連が擁立した西村正美参院議員(51)=民主=の後援会に日歯連から5千万円が寄付され、寄付と同日に同後援会は、日歯連擁立の石井みどり参院議員(65)=自民=の後援会に5千万円を寄付。日歯連はこれとは別に石井後援会に4500万円を寄付していた。この寄付について、一部の評議員が「政治団体間の寄付の年間上限5千万円を回避する迂回献金ではないか」と指摘した。

 指摘に対し日歯連は「両後援会は議員とは無関係の独立団体。合法的な資金移動であり、迂回献金には当たらない」と弁明した。

 しかし特捜部は、この寄付が、規正法で定められた寄付の年間上限規制を回避するための迂回献金だった疑いがあるとみて、4月30日に日歯連などを家宅捜索、強制捜査に乗り出した。

 ◆ポイントは2点

 捜査の主なポイントは(1)両後援会は日歯連から独立した組織なのか(2)迂回献金を誰が主導したのか-の2点だ。「独立」とは、後援会が独自に寄付先などを決定できることを意味する。

 後援会が日歯連から独立しておらず、日歯連と実質的に一体と認定されれば、1つの政治団体に認められる上限額を超えた寄付をした量的規制違反や、実体のない後援会を実体があるかのように装った虚偽記載などに当たる恐れがある。その場合、誰が違法寄付を主導したのかが問題となる。

 日歯連は両後援会について「独立した組織」と主張する。しかし両後援会の代表者は日歯連の高木幹正会長で、所在地も日歯連と同じだ。両後援会の会計責任者も日歯連の会計担当役員らが務めていた。また日歯連は内部文書で「寄付上限があるため、西村後援会を経由して石井後援会に資金移動した」と認めている。

 さらに、複数の関係者は「後援会は日歯連擁立候補を支援するためのもの。会計などは日歯連幹部が決めていた」と証言。日歯連と後援会が実質的に一体であることを否定する事実は見つかっていない。

 一方、日歯連で10年近く会計を担当し、後援会の会計責任者も務めていた男性役員が寄付の決定を主導していたことが判明。特捜部はこの役員が事件解明の鍵を握るとみて、自宅を捜索し、任意で事情を聴いている。

 ◆闇献金事件で法改正

 日歯連をめぐっては、13年に行われた資金提供をめぐる「日歯連闇献金事件」が16年に発覚し、汚職事件などに発展した。闇献金事件では、日歯連から自民党旧橋本派に渡った献金が裏金化し、派閥幹部らが政治資金規正法違反罪などで有罪になった。この事件を受けて同法が改正され、政治団体間の寄付は年間5千万円を上限とする規定が設けられた。

 ある検察幹部は「日歯連が規制回避のために違法行為をしていたとすれば、『まだ懲りていないのか』と言われても仕方ない。まずは寄付の経緯など実態解明が第一だ」と話す。

 日歯連関係者は「汚職性があった前回の事件とは違い、今回は自分のカネを右から左の財布へと移したようなもので悪質性は低いと思う。ただ、特捜部は膨大な資料を押収した。そこから迂回献金以外の何かが出てくるかもしれない。前回の事件以降はクリーンになったと信じているが…」と複雑な表情を浮かべた。
(産経新聞)

 政治資金規制法違反なのか、それとも合法なのか、おもしろい。
 迂回献金以外の何か出てくるか。
 何かとは、前回同様、違法性のある闇献金でしょう。
 

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