悩みに悩んだ末の決断だった。松田は侍ジャパンの一員として強化試合(対プエルトリコ)に臨んだ6日には「(期限は)10日まで。いろいろ考えている」と熟考する構えを見せていた。ただ、親しい関係者によれば気持ちは残留で固まりつつも、メジャー挑戦の夢が消せなかったという。
松田は今季、選手会長としてチームをけん引し、日本一連覇に導いた。打っては自己新記録となる35本塁打、94打点をマーク。守備でも過去3度のゴールデングラブ賞に輝くなど、攻守の要であり、精神的支柱だった。球団は2年契約の2年目が終わる今オフをにらみ、今季の早い段階から契約延長を打診。守護神サファテとともに松田の残留を最重要事項に掲げ、次回FA資格取得までとなる4年の大型複数年契約を提示したとみられる。
松田自身、10年間所属した球団に愛着もあり、気持ちはほぼ「残留」で固まり、国内移籍する可能性はすでに頭から消した。ただ取得したのは海外FA。これまでは憧れだったメジャーへの挑戦について真剣に考えた時、申請書提出期限の10日までにその可能性を消し去ることはできなかった。侍ジャパンでもチームリーダーを任されており、プレミア12の世界一が最大の目標。目の前の試合に集中するためにも一端、FAを行使しておき、すべて終わってから熟慮する考えだ。
走攻守の三拍子そろった日本球界を代表する三塁手には、メジャーも注目。FA宣言すればパドレスなどが獲得に手を挙げる可能性が高い。球団は昨季までチーム方針としてFA宣言した選手と契約する「宣言残留」は基本的に認めていなかったが、松田は特例として容認。流出阻止へ全力を尽くすことになる。
いわば自問自答の時間を確保するための宣言だが、仮に松田が「メジャー」を宣言すれば、チームは既にメジャー挑戦を表明した李大浩(イデホ)以上の激震に見舞われることになる。日本一連覇を果たしたこのオフ、その立役者の動向から目が離せなくなった。
(スポニチアネックス)
日本ハムファンは、メジャーに行ってもらいたいと思っているだろう。
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