「自分の息子と思って、育ててきました」(大沢樹生さん・去年1月)
去年、大きな話題となった親子を巡る問題。この裁判は俳優の大沢樹生さんが、「自身の長男(18)とは血のつながりがない」として、親子関係が存在しないことの確認を求めたものです。
大沢さんは1996年、女優の喜多嶋舞さんと結婚。当時、喜多嶋さんは妊娠3か月で、7か月後に長男が誕生しましたが、2005年に離婚しました。その後、大沢さんは長男を引き取り育てていましたが、おととし、『結婚当時、酔った喜多嶋さんが“父親は別の男性”と言っていた』ことを思い出し、実施したというDNA鑑定で、「親子関係は0%との結果が出た」と明らかにしていました。
「男の子って15、6歳になれば顔かたち、背格好もある程度しっかりしてくる。そこで何か、何か違うなと。今アメリカで頑張ろうとしている彼を心から・・・、応援したく・・・」(大沢樹生さん・去年1月)
DNA鑑定で血縁がないと分かった父と子。そして、19日午後。東京家裁は判決で大沢さんの訴えを認め、「親子関係は存在しない」と言い渡しました。DNA鑑定の発達で同様の訴訟は全国で起こされていますが、去年、最高裁は「“血縁がないことを理由”に親子関係を取り消すことはできない」との判断を示しています。では、なぜ訴えが認められたのでしょうか。
『結婚成立から200日が過ぎた後に妻が産んだ子は、夫の子と推定する』という民法の規定。東京家裁は、長男の誕生がちょうど200日目だったことから、DNA鑑定と合わせ『大沢さんの子ではない』と判断したのです。
「結婚から200日目に、お子さんが生まれているので、200日は経っていなかった。そうすると、嫡出推定が及ばない、推定されない子どもということで、いつでも誰からでも、DNA鑑定でも、親子関係を覆せる。たった1日2日で、子どもの身分や地位が、こんなに変わっていいのかという問題を抱えている判断。(明治時代)当時の統計に基づいて、規定が置かれているのに、この規定を形式的に適用してしまうことに大きな問題がある」(早稲田大学 法学研究科長 棚村政行 教授)
19日の法廷には大沢さん、喜多嶋さんともに姿を見せず、今のところコメントも出していません。
(TBSニュース)
父親は誰だろう。
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