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2015年11月18日水曜日

ロシア機墜落:露政府、テロ断定…「機内に手製爆弾」

◇IS拠点に2倍の集中攻撃、IS関与を強調

【モスクワ真野森作、エルサレム大治朋子】ロシア政府は17日、10月末にエジプト東部シナイ半島で起きたロシア旅客機(乗員乗客224人)墜落の原因について、機内に仕掛けられた手製爆弾によるテロと断定したと発表した。プーチン露大統領は国連憲章51条に基づく自衛権の発動を宣言し、シリア領空爆の強化を指示。軍は同日、過激派組織「イスラム国」(IS)の拠点に対し、従来の2倍の集中攻撃を行ったと発表した。事実上の「報復攻撃」でISのテロ関与を強調した形だ。パリ同時多発テロ直後のロシア政府の発表は、国際社会にISの脅威を改めて印象付けた。

 ◇プーチン大統領、シリア領空爆の強化を指示

 墜落原因を巡り、米英両国が早い段階でテロ説に傾く中、ロシア政府は慎重な姿勢を貫いていた。エジプトの航空事故調査委員会は、飛行データを記録したブラックボックスなどの解析を続けている。

 ロシアの治安機関・連邦保安庁(FSB)のボルトニコフ長官が16日深夜、プーチン氏に「テロに間違いない」と調査結果を報告。ボルトニコフ氏は墜落機の残骸から「外国製の爆発物の痕跡が見つかった」とし、TNT爆薬に換算して1キロ未満の手製爆弾が飛行中の機内で爆発したとの見解を示した。

 プーチン氏は「犯人たちを見つけ出し、罰しなければならない」と強調。17日夜には軍司令センターで空爆強化の状況について報告を受け、「シリアでのテロとの戦いはロシアと国民を守ることそのものだ」と訴えた。

 ロシア軍によると、17日早朝から戦略爆撃機も動員して82回出撃し、ISが首都と位置付けるシリア北部ラッカなどの拠点140カ所を破壊したという。フランス軍も同日、ラッカを空爆した。また、FSBは17日、犯人逮捕につながる情報の提供者に5000万ドル(約61億6000万円)の賞金を出すと発表した。

 一方、ロイター通信は17日、旅客機に爆弾を積み込むのを支援した疑いがあるとみて、エジプト当局が離陸地シャルムエルシェイクの空港職員2人の身柄を拘束したと報じた。内務省は報道を否定している。

 ISの分派で、シナイ半島を拠点とする「ISシナイ州」は犯行への関与を主張しているが、詳細な手口や実行犯の身元などは明かしていない。

 一方、エジプトのイスマイル首相らは17日午後、墜落原因について、これまでのところ犯罪行為があったことを示す「証拠」は見つかっていないと述べた。ロイター通信などが伝えた。イスマイル氏は「墜落にいたったあらゆるシナリオを追及している」と言及。「テロ対策でロシアとの協力や連携を継続する」と強調した。
(毎日新聞)
 空港職員の協力で機内に積み込まれた爆弾で墜落か。

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