約1時間のジムワークを終えた村田は、引き締まった表情で言った。「僕が戦う場所はここになる」。世界の強豪が集う、聖地ラスベガス。その地で勝ち残っていくんだという強い思いが、言葉に表れた。13年8月のプロデビューから約2年2カ月。激戦のミドル級で頂点に立つため、米国デビュー戦の意味は理解している。「この試合はゴールではなく、スタート。夢に向けての1歩として、しっかりアピールできる内容にしたい」と力を込めた。
求められるレベルは高い。練習中には、契約するトップランク社を率いるアラム氏が、突然姿を見せた。多くの契約選手を抱える同氏がノンタイトル戦に臨む選手を視察するのは異例で、村田への期待の表れといえる。だが、同時に厳しい要求も口にした。「来年中に世界戦ができるかは、この試合にかかっている。10戦目でやりたいのであれば、それだけの試合をしなくてはならない」。勝つだけではだめ-。KOに近い、圧倒的な内容を求めると断言した。
試合はダブル世界戦の直前に行われ、村田の試合を加えた3試合の映像が、全世界に配信されることが決まった。また、米国ボクシング界の著名な記者ケビン・アイオリ氏から取材の申し込みを受けるなど、注目度は試合が近づくにつれて高まっている。村田にとっても、盛り上がりは歓迎で「期待を超える自信はある」と胸を張った。
対戦するジャクソンはプロ31戦で1度もKO負けのない、粘り強い相手。こじ開けにくいタイプだが、「何とかしてみせます」。練習後には体重もリミットに達するなど、ここまでの調整は万全。「第2のデビュー戦」と位置づけたリングで、村田が満点回答をしてみせる。【奥山将志】
(日刊スポーツ)
結果を出して、来年世界戦なるか。
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