震源地に近い北西部ゴルカ郡ポハラター村。土砂崩れで砂利道が埋まり、車では進むことができない。食糧などの運搬はすべて人力だ。被害状況を調べに来た国連の災害調査チームのブルノー・ブリアクさんは「被災した村があちこちに散らばっている。ヘリコプターを使わないと、物資を運べない場所も多い」と言う。
ネパール政府の被害状況把握や救援活動は、山間部では遅れている。その理由は、ヘリなど交通手段が乏しいことにある。
ネパール内務省のダカル報道官によると、救援救助活動に従事しているヘリコプターは、応援に来たインド軍機なども入れて20機。救助活動に加え、孤立地域への救援物資の投下作業を地震から4日後に開始したが、はかどっていない。ダカル氏は「ヘリが足りない。テントや食糧も不足している」と訴える。
日本から医療援助のため派遣された自衛隊も、ヘリ不足など輸送力の問題で行動が制約される。自衛隊の医療援助隊は1日に本隊が到着し、総勢114人となった。
今のところ、医療活動はカトマンズ周辺で行う予定だ。被害のひどい山間部では道路が寸断され、装備を運ぶにはヘリが必要になる。だが、ネパール軍などからヘリを借りるめどはたたず、空港の受け入れ能力の問題等で日本から持ち込むのも難しいという。
自衛隊は輸送機に積み込めるタイプの多用途ヘリを所有し、2005年のパキスタン北部地震でも輸送機で現場に派遣された。
だが、救援要員や物資を運ぶ各国の航空機が殺到するカトマンズ空港は滑走路が1本、駐機場も8機分しかない。常に多くの飛行機が上空で旋回を繰り返し、着陸の順番を待っている状態だ。輸送機を長時間止めてヘリを取り出し、その場で組み立て直す場所と時間を確保できないという。
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ネパール警察当局は1日午後10時現在(日本時間2日午前1時15分)の死者数を6621人と発表した。インドなど周辺国と合わせて全体の死者は6730人となった。(カトマンズ=貫洞欣寛、ポハラター村=中野寛)
(朝日新聞デジタル)
ネパールには、強力な軍隊があり、ヘリも持っているのに、救援救助活動に使えないなんて、おバカな話です。
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