◆ヤクルト5―7阪神(13日・神宮)
激しい衝突が起こった直後、両軍ベンチから選手たちが飛び出した。2回1死三塁。伊藤隼の右飛でタッチアップした三塁走者・マートンは、捕手の西田に強烈な体当たりを食らわしタッチアウト。興奮した様子の助っ人は、平田ヘッドコーチに制されてベンチへ。場内は一時騒然となった。
大けがにつながりかねない危険なプレーは、決してほめられるものではないが、このシーンは不振にあえぐスラッガーの、闘志の表れだったとも言える。10日の広島戦(甲子園)で今季初めてスタメン落ち。2試合ぶりの先発出場で、打順も4月21日のDeNA戦(横浜)以来の5番に戻った。強く期するものがあったはずだ。
和田監督も「打席でも走塁でも、気持ちが入って集中力があった」と、内面の大きな変化を見て取った。2回先頭での第1打席で右翼線二塁打を放つなど、5日の中日戦(甲子園)以来のマルチ安打。「いい勝利だったんじゃないか」と、前向きな言葉も飛び出した。
昨年のセ・リーグ首位打者が本来の働き場所に戻り、チームは3回の梅野の先制2号ソロ、6回にも福留の4号2ランが出るなど7得点し、連敗を3でストップ。広島と同率の5位タイとなり、単独最下位を脱した。
「もう一度、(チーム)スローガンのアズワンのように、ひとつになってスタートを切りたいというゲームだった」と和田監督。この試合を巻き返しへのターニングポイントにしてみせる。(辻 圭太郎)
(スポーチ報知)
危険だけど、これがベースボールでしょう。
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