NPT再検討会議の最終文書案では、世界の指導者に広島、長崎への訪問を要請するという日本の提案に中国が反対し、文言は削除された。被爆地を訪問すべきだという「趣旨」が分かる内容とはなったが、核廃絶問題にまで歴史問題を絡めて反対する中国の想定外の行動に、防戦を強いられた感は否めない。
「日本が特に重視してきた考え方が概ね盛りこまれている」。菅(すが)義(よし)偉(ひで)官房長官は22日の記者会見で、最終文書案をこう評価したが、「被爆地訪問」は「被爆した地域の経験を直接共有する」など後退した。
日本は、開会当初から、核兵器の非人道性を理解するためには、被爆地訪問の明記が重要だと提案していた。しかし、中国が「日本は大戦の加害者ではなく、被害者かのように描こうとしている」などと歴史問題を取り上げて反対し、素案の段階で削除された。
これに慌てた外務省は17日に杉山晋輔外務審議官を派遣し、巻き返しを図った。杉山氏は、日本の主張を会議で演説するなど関係国を説得。文言の復活を支持する国がフィリピンなど26カ国に及んだことは、歴史問題に固執する中国の“特異性”を浮き彫りにしたとは言える。断続的に行われた中国との二国間交渉にも一定の影響を与えたとみられるが、文言復活までには至らなかった。
外務省幹部は「外交交渉でいったん表明した見解を変えるのは難しい。苦しい交渉だった」と吐露した。(楠城泰介)
(産経ニュース)
なぜ、中国は反対したか。
日本が嫌いだから。
中国の指導者が、広島・長崎を訪問したくないから。
日本の宣伝材料に使われるのを嫌ったから。
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