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2015年5月8日金曜日

箱根山、地下で何が 勢い増す噴気

 日本有数の観光地にある箱根山で、連休中に噴火警戒レベルが引き上げられた。地震が多発し、噴気の勢いが強まった。気象庁が24時間態勢で監視する活火山で何が起きているのか。活発に噴火が続く鹿児島県の桜島など、日本は警戒が必要な火山が少なくない。
 箱根山は約40万年前に火山活動を始めたと考えられている。約3千年前には火砕流の発生や溶岩ドームができる大噴火があり、芦ノ湖や大涌谷ができた。12~13世紀には大涌谷で水蒸気爆発がおき、火山ガスなど熱風が吹き付ける火砕サージが発生した。
 近年も小さな群発地震は数年に一度起きていて、短い時は1~2カ月、長い時は半年間続いていた。
 今回の群発地震は、大涌谷から噴出する水蒸気の勢いが増しているのが特徴だ。箱根山の観測をする神奈川県温泉地学研究所は、地下10キロ付近にたまっているマグマが熱水を地表に向かって押し上げているとみている。熱水を押し上げる圧力で地表に近い岩盤が割れて地震が起きた。山の傾きを測る傾斜計も山が膨張する方向に変化している。
 気象庁は5日夜の地震が深さ5キロと通常より深い場所で起きたことで、これまでとは違う活動が起きている可能性があるとして警戒レベルを2に上げた。
 東京大地震研究所の中田節也教授(火山学)は「地下からの熱供給が増し、水蒸気の量が増えたのではないか。崖崩れなどで蒸気の出口が目詰まりすれば、内部の圧力が高まって噴火につながる可能性もある」と話す。
 今回と似た活動は、2001年にもあった。噴出する水蒸気の勢いが増し、群発地震が6月から10月にかけて続いた。温泉地学研究所の竹中潤研究課長は「今回は、地震が起こるペースや山が傾く率から考えて、01年の時と同程度かそれを上回る可能性がある」と指摘。今後は「地下のマグマが動き噴火の兆候となる火山性微動が起きないか注視したい」と語る。だが、しばしば噴火している北海道・有珠山などと違い、箱根山の噴火は誰も経験しておらず、噴火や推移の予測は難しいという。
(朝日新聞デジタル)
 噴火して、危険が長期化すると、箱根も終わる。

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