右肩の筋疲労で大きく出遅れたソフトバンクの松坂が24日、予定されていたウエスタン・リーグの広島戦(中津)での登板を緊急回避した。一軍復帰に向けて、再始動した中での異常事態。そもそも最終目標である一軍での白星量産にはクリアすべきハードルが多い。窮地に立たされている平成の怪物の完全復活に向け、チーム内では仰天プランまで浮上している。
登板直前での緊急回避だった。松坂は20日のウエスタン・リーグのオリックス戦(高知)で2回2安打1失点で実戦復帰したばかり。今回の登板では6回から3イニングを投げる予定だった。
まさかの事態について松坂は「まだ、こういう状態なので、いいときもあれば悪いときもあるだろうと思ってましたけど。たまたま今日がそういう(悪い)日だったのかは分かりませんが、回避することにしました」と説明。この日はキャッチボールから右肩の状態が悪く、登板に備えて試合中にブルペンへ向かっても上がってこなかったという。「今日だけ、たまたま悪い日だったらいいなと思います。向こう(福岡)に戻ってチェックしたい」と続けた。
当初の目標では次の登板で先発して5イニングほどを投げる予定だったが、これで一からやり直し。本人の感覚も含めて問題がなくなった段階で改めて登板スケジュールを立てていくことになるが、もちろん短いイニングから。いずれにしても26日にリハビリ組に合流し、状態を確認してからになる見込みだ。
ただ、仮に投球を再開できたとしても、クリアすべきハードルは多い。現在、二軍で先発している投手のうち6人が防御率0~1点台。実績では松坂がダントツながら、一軍の佐藤投手コーチは「勝っていて故障したわけではない。米国で結果を出せなくなって帰ってきて故障したわけだから」と特別扱いには否定的。その上で「よほどの軟投派でもない限り、俺は二軍に関しては空振りを取れて三振を取れること(が一軍昇格の条件)だと思っている。一軍より力が落ちる打者を相手にするわけだからな」との見解を示している。変化球は問題ない。
肝心なのは直球で、そのカギを握る投球フォームの問題も深刻だ。松坂本人は投げていく中で修正していく構えだが、見通しは厳しい。チーム内からは「円盤投げのようになってしまっている」との声も。さらには「あの投げ方ではケガをしてしまう」やら「もうフォームが劇的に良くなるということはない。あれだけ修正しようとしても直らないわけだからね。年齢的にもそうだし、体の状態もあるのだろう。その中で、いかに納得できる形を見つけられるかだと思う」との見立ても出ている。
ここにきての急ピッチ調整は完全に裏目に出た格好。それだけに「本当の松坂大輔として復活することを考えれば、焦るのではなく今年1年丸々かけて調整するくらいの方がいいのではないか」との意見も複数のチーム関係者が口にしている。言うなれば“今季絶望のススメ”だ。
札幌ドームで報告を受けた工藤監督は「焦ってもしょうがない。またそうならないように。投げたい気持ちは分かるけど、万全でないと本人にとっても良くない」と話した。平成の怪物の復活ロードは、まだまだ五里霧中だ。
(東スポWeb)
松坂は復活できるのだろうか。
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