左手舟状骨の剥離(はくり)骨折で戦列を離れていた日本ハムの陽岱鋼が6月28日、広島との二軍交流戦で実戦復帰を果たした。
「4番・中堅」でスタメン出場し、2ラン本塁打を放つなど2打席を消化。「3番・中堅」で出場した翌29日の巨人戦でも無難な動きを披露し、早ければ7月3日にも一軍復帰する見込みだ。
日本ハムは現在2位につけているものの、交流戦のラストゲームから5連敗を喫するなど、首位・ソフトバンクと4.5ゲーム差。一時の勢いを失い、このところは拙守が目立つなど苦しい戦いが続いている。
そこに戻ってくるのが、昨季チームでただ一人、ゴールデン・グラブ賞を獲得した陽。センターラインに背番号『1』が加わることで、ほころびが生じたディフェンス面も引き締まりそうだ。
攻撃面で陽復帰の恩恵を最も受けそうなのが4番の中田。本塁打と打点のタイトルを西武の中村、ソフトバンクの松田らと争っているが、このところやや元気のない上位陣の影響もあり、最近10試合は1本塁打、3打点と、そのペースが急激に落ちている。
また、チームは5番打者を固定できない状態が続いており、今季は打者・大谷も不発。春先は新助っ人のハーミッダが、中田敬遠後に何度か勝負強さを発揮する姿を見せたが、ハーミッダ離脱後は日替わり起用の近藤、岡らも怖さを与えることができず、必然的に中田が勝負を避けるケースが目立っている。
さらに、相手投手はボール球で勝負できるため、際どい判定に中田がストレスを抱える悪循環。4番が孤立してしまったチームは得点力不足に陥り、これが失速の一因となった。
5番打者が力を発揮すれば、ソフトバンクや西武とは言わないまでも、再びバランスの良い打線を組むことができる。現在は西川が調子を落としているが、それでも中島、田中の上位陣は、それぞれ.350近い高い出塁率を維持しており、昨季チーム1位の得点圏打率.379を記録した陽を、中田のうしろに据えるのも一手だ。
陽不在の間、2年目の岡や高卒新人の浅間らが台頭するなど、ポジティブな要素もあった。あとは外国人野手が機能すれば言うことなしだが、まずは陽の復帰で追撃態勢を整え、再びソフトバンクに迫りたい。
BASEBALL KING
陽復帰で、ソフトバンクに迫りたい。
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