マルケスが今季6度目のポールポジション。ペドロサが3番手と続き、今季4度目のフロントローを獲得する 第12戦イギリスGPの予選は、終日雲の多い一日となりました。しかし、気温は21℃まで上昇、路面温度も30℃を超えて、初日に比べると、セットアップの進めやすいコンディションとなりました。その中でマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、マルケス自身が13年の大会でマークした2分00秒691をブレイクする2分00秒234で今季6度目のポールポジション(PP)を獲得。昨年に続き、大会2連覇に向けて大きく前進しました。
午前中のフリー走行では、セットアップに集中し、総合2番手でQ2進出を決めました。その後に行われた30分間のフリー走行では、決勝を想定したロングランを実施、2分01秒台で連続ラップを刻み、仕上がりのよさをアピール。予選では、1回目のアタックで2分00秒564をマーク、2回目のアタックで2分00秒234までタイムを短縮し、2戦ぶり今季6度目のPPを獲得しました。
今大会は、目標とする1分59秒台には届きませんでしたが、ライバルを圧倒する快速ランを披露して、大会2連覇と今季4勝目に向けて大きく前進しました。
初日4番手につけたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)も、順調にタイムを短縮しました。フリー走行では総合4番手。順調にQ2進出を果たすと、予選ではPP争いに加わり、3番手のタイムをマークしました。これでペドロサは2戦ぶり今季4度目のフロントローを獲得。後半戦のスタートとなった第10戦インディアナポリスGPに続き、マルケスとの1-2フィニッシュが期待されます。
初日9番手につけたスコット・レディング(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が、フリー走行で総合5番手に浮上すると、予選では今季2度目のシングルグリッドを獲得しました。初日から快調に周回を続けたレディングは、予選では、マルケスをピタリとマーク。1回目、2回目ともにマルケスを目標に走り、第2戦アメリカズGPの6番手に次ぐ7番手となり、地元ファンから大きな声援を送られました。
初日15番手と出遅れたカル・クラッチロー(CWM LCR Honda)も、レディングとともにマルケスをピタリとマークして8番手までポジションを上げました。ホームGPとはいえ、シルバーストーン・サーキットが苦手だというクラッチローは、自己ベストを更新して納得の表情でした。
以下、Hondaのオープンカテゴリーマシン「RC213V-RS」でジャック・ミラー(CWM LCR Honda)が今季自己ベストタイの16番手、ユージン・ラバティ(Aspar Team MotoGP)が19番手、ニッキー・ヘイデン(Aspar MotoGP Team)が21番手、カレル・アブラハム(AB Motoracing)が24番手という結果でした。
Moto2クラスは、地元ファンの声援を受けて熱走を見せたサム・ロース(Speed Up Racing)が今季3度目のPPを獲得。以下、1秒差に13台という接戦になり、総合3位のアレックス・リンス(Paginas Amarillas HP 40)が2番手、総合首位のヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)が3番手と続きました。
以下、総合2位のティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が4番手。セッション終盤に転倒したラバトは右ヒザを強く打ち、医務室に運ばれましたが、骨折などはありませんでした。5番手にトーマス・ルティ(Derendinger Racing Interwetten)、初日3番手と好調なスタートを切った中上貴晶(IDEMITSU HONDA TEAM ASIA)が、今季5度目の2列目スタートとなる6番手と続きました。
Moto3クラスは、ホルヘ・ナバロ(Estrella Galicia 0,0)が初PPを獲得。以下、Honda勢は、総合首位のダニー・ケント(LEOPARD Racing)が3番手、総合5位のエフレン・バスケス(LEOPARD Racing)が4番手、初日3番手につけたアレックス・マスボー(SaxoPrint RTG)が6番手、総合2位のエネア・バスティアニーニ(Gresini Racing Team Moto3)が7番手と続き、5台のHonda勢がトップ10に名前を連ねました。前戦チェコGPで右足甲を負傷している尾野弘樹(LEOPARD Racing)は、本来の力を発揮できず31番手。決勝では追い上げのレースに挑みます。
コメント
マルク・マルケス(MotoGP ポールポジション)
「いい予選セッションでした。最初のラップを走ったとき、すべてを完ぺきにまとめられたら、もしかすると1分59秒台にとても近いタイムを出せるかもしれないと思いました。しかし、2度目のアタックでは、最終セクターのブレーキングで少しタイムが落ちるということに気づきました。それでも最終的にポールポジションを獲得することができました。明日のレースは、ホルヘ(ロレンソ、ヤマハ)やダニ、バレンティーノ(ロッシ、ヤマハ)が速いと思いますし、厳しい戦いになると思います。全力で挑みます」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 3番手)
「目標はフロントローを獲得することだったのでうれしいです。明日は、いいスタートを切って、マルクとホルヘについていけるようにがんばります。このサーキットでは、タイヤの温度をコントロールするのがとても難しいので、天候にしっかり合わせたセッティングをしたいと思います。マルクのペースはとてもいいです。そのペースより少し遅れていますが、明日の天候をみて、何ができるか考えたいです」
(ホンダのHPから引用)
決勝は、予選2位のロレンソ、4位のロッシとの混戦になるだろう。
シルバーストーンは高速サーキットだから、マシン性能・技量に左右される。
ポールポジションのマルケスが優勝するか。
好調なロレンソが独走するか。
ロッシ優勝またはロレンソより上位で、ポイントリーダー奪還なるか。